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貴志祐介『兎は薄氷に駆ける』- 冤罪で獄中死した父の無念を法廷で晴らす!
資産家の平沼精二郎が、一酸化炭素中毒で死亡した。 ガレージの車から不完全燃焼による一酸化炭素が発生し、平沼の寝室に立ち上っていったことが原因だった。 警察はこれを偶然の事故ではなく、それを装った殺人と考え、平沼の甥である日高英之を逮捕。 日... -
やがみ『僕の殺人計画』- 誰にもバレない殺人方法とは?天才編集者、決死の頭脳戦!
立花諒は、かつて数々のヒット作を世に送り出してきた天才ミステリー編集者。 担当作家の盗作疑惑によって部署異動となってしまい、近頃は仕事に熱が入らない日々を過ごしている。 そんな立花のもとに、「X」と名乗る人物から原稿の第一章が送られてくる... -
伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』- 見知らぬ誰かの幸せを願いたくなる、心温まる連作短編集
いじめられっ子で父親からも日常的に暴力を振るわれている少年が、逃げ出した先でエージェント・ハルトと出会う。 それがきかっけで自身もトレーニングを積んでエージェントとなるが、あるミッション中にトラブルが起こった。 逃亡用に用意されていた飛行... -
【自作ショートショートNo.72】『娯楽依存症』
あるところにとても平和な国があった。 この国は働かなくても暮らしていくことができるくらい豊かだったので、国民たちはみんな毎日を楽しく遊んで暮らしていた。 子供はもちろんのこと、若者も老人もみんな仕事をしていないので、時間だけはたっぷりある... -
森晶麿『切断島の殺戮理論』- 隠蔽された異形の島で、狂気の殺戮が始まる
大学四年生の岩井戸は、学業にも就職活動にもさほど情熱を注いでこなかった。 しかし文化人類学の植原カノン教授に一目惚れしてからは、彼女の講義を最前列で受け、レポートも熱に浮かされたかのように一気に書き上げた。 そのレポートが植原の目に留まり... -
櫛木理宇『監禁依存症』- 目には目をでは済まない残虐非道な復讐劇
小諸は主に性犯罪者を弁護する弁護士。 過去に何件もの性犯罪を強引に示談にしてきたため、裁きを求める被害者側からはひどく憎まれていた。 ある時、出張で海外に向かった小諸のもとに、妻から連絡が入る。 一人息子が何者かに誘拐され、身代金を要求され... -
サラ・ペナー『薬屋の秘密』- その薬屋には、女性を救うための罪深い秘密がある
結婚10周年に夫と旅行する予定だったキャロラインは、直前に夫の不貞が発覚したため、一人でロンドンに行くことに。 せっかくの記念旅行が傷心旅行になってしまい、落ち込むキャロラインだったが、テムズ川のほとりでふとガラス瓶を見つける。 ちょっとし... -
冲方丁『骨灰』- 無数の死者を踏みつけて発展する東京を描いたモダンホラー
光弘が勤める大手デベロッパーでは、渋谷駅の再開発事業のために現場の地下を調べることになった。 SNSで「人骨が出た」「有害なものが出てる」「作業員全員入院」など、この場所についての薄気味悪い書き込みが続いたからだった。 広報担当者として現場に... -
アリス・フィーニー『彼は彼女の顔が見えない』- 不仲の夫婦は閉ざされたチャペルで何を見たのか
夫婦として冷え切ってしまっているアダムとアメリア。 関係を見直すためにスコットランドへ旅行に行くが、道中も言い争いばかり。 しかも吹雪に見舞われてしまう。 ようやくたどり着いたチャペルは、古くて真っ暗で、まるでホラー映画のようだった。 引き... -
滝川さり『ゆうずどの結末』- 少しでも読んだら呪い殺される、禁忌のホラー小説
大学の文芸サークルに所属する菊池と日下部は、メンバーの宮原が飛び降り自殺するところを目撃した。 血溜まりに沈んでいく彼女の遺体のそばには、ホラー小説『ゆうずど』が落ちていた。 彼女は最近、「紙の化け物が見える」と悩んでいたらしいが、それと...