道尾秀介おすすめ小説10選【向日葵の咲かない夏】

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今回ご紹介させていただくのは、道尾秀介(みちお しゅうすけ)さんのおすすめ小説です。

ミステリ小説好きなら読んでいない人はいないであろう、道尾秀介さんの超名作『向日葵の咲かない夏』。

衝撃の展開の数々や独特の世界観にグイグイ引き込まれ、一気に道尾さん他作品を読み漁ったのを覚えています。

読んでいない方はぜひ読んでみてくださいね(ノ∀≦。)ノ

しかし!道尾秀介さんの作品で面白いのはこれだけではないのです。

『向日葵の咲かない夏』しか読まないなんて非常にもったいない!!

道尾秀介さんは騙すのが上手いというか裏切るのが上手いというか、とにかく読者を驚かさせてくれる作品が多いのです。

しかもそれが超気持ちいい。まさに痛快なのです。

というわけで今回は、ぜひ読んでみてほしい道尾秀介さんのおすすめ小説を10冊ご紹介させていただきます!

どうぞ参考にしていただければ幸いです。

目次

1.『スケルトン・キー』

最近の道尾さんは心温まる系のほんわか小説が多かったので、久しぶりのブラックな道尾作品で胸が高鳴りました。

やっぱりはわたしはこっちのタイプが好きだなあ、と実感。

何もかもネタバレになってしまいそうなので多くは語れませんが、いわゆる「サイコパス」ものです。

児童養護施設で育った主人公がサイコパスと自覚しながら、破滅的行動を取りつつ生きていく。が、後半からは新たな真実が盛り沢山で、読み手は混乱することに。

中盤から一気に半回転し、そこまでのミスリードがひっくり返る、というミチオさんお得意の技が光ります。

最後に開かれたものは物語の救いではあるのだろうけど、そこに至る展開が重く、読後感はずっしりきます。

初期の頃の黒い道尾さんが好きなら絶対にハマっちゃう一冊。

「ああ、あれはそういうことだったんだ!」「え、こんな所にも仕掛けが!」など二度読むを面白い発見ができる道尾さんらしい作品です。

2.『向日葵の咲かない夏』

道尾秀介さんといえばこの作品!という方も多いでしょう。

冒頭、大人になったミチオが小学4年生の終業式の日、先生に頼まれてS君の家に届け物をする回想シーンから始まる。

その日、ミチオはS君が自殺したことを目撃してしまう。

その後、あるものに生まれ変わったというS君から「自分を殺した犯人を見つけ出してほしい」と頼まれる。

そして犯人を捜していくうち、考えもしない真実が解き明かされていく。

作品序盤から感じる不気味な雰囲気と若干の狂気。

全てを読み終えた後さらに恐怖にも似た感覚を植え付ける、ミステリーでもあり、ホラーにも似た感覚を持ち合わせる作品です。

秀逸なトリックが物語の節々にちりばめられており、初見でこれを見抜ける人はいないだろう、とも思うほど高い表現方法はさすがです。

読む人によって好き嫌いが分かれそうな作品ではありますが、全く予想の出来ない展開と衝撃的な結末は「最高」の一言。

ミステリー好きなら絶対読んでおきたい傑作です。

3.『風神の手』

遺影専門の写真館「鏡影館」がある上上町(かみあげちょう)を舞台に繰り広げられる道尾秀介さんならではの世界観を描いた傑作長編ミステリー。

「鏡影館」を訪れた人々の人生にクローズアップし、誰かがついた些細な嘘がどこかで大きな事件へと繋がっていく。これは果たして偶然なのか?必然なのか?

話は一枚の遺影から始まる。

とある女子高生と青年との淡い青春の物語…小学生の男児二人が偶然遭遇した事件…と1章1章にさまざまな伏線が張り巡らされており、1章完結の作品のように3章…そしてエピソードまでを読むことで「そういうことだったのか。」と思わされる一作。

そのため何度でも読みたくなるし、読めば読むほど謎解きのような面白さを味わえます。

ミステリー小説なのにどこかあたたかい、小学生から老夫婦まで世代を超え数十年にわたる人間ドラマを描いた作品です。

王道ミステリーが好きな方も、ミステリー小説が少し苦手、という方も人によって様々楽しみ方が出来ること間違いなし!

4.『ソロモンの犬』

秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏を一変させたあの夏。

彼らが通う大学の助教授の一人息子が、飼い犬の暴走により車道に飛び出し事故死してしまう。

これは本当に事故だったのか?この謎を追う先に予想できない結末が待っています。

途中で「あれ?これ犯人分かっちゃった?」と思った人も多い中で、最後には誰にも予想できないどんでん返し。そんなストーリーありなの!?と思ってしまう一作です。

ありとあらゆるところにある違和感という名の伏線を終盤でしっかりと回収していく。

これぞまさに「尾道作品」。全ての謎が繋がり、物語に入り込み、目が離せない!一気読み確実です。

人間の心の醜さや、飼い犬の優しさ様々な感情が引き起こしてしまう事件の真相。犬を飼っている人にはぐっときてしまう作品間違いなしです。

なんとも言えない切なさは残るものの、最後には後味のいい爽やかな締めくくりでこれぞまさに「青春ミステリー」と言えるでしょう。

5.『龍神の雨』

血のつながりのない父と暮らす添木田蓮と楓の兄妹。

同じく血のつながっていない母と暮らす溝田達也と圭介の兄弟。

この2つの家族をメインに展開する何とも切ないサスペンス・ミステリー小説です。

それぞれの家庭にそれぞれの事情があり、起こってしまう事件の真実は思わぬ方向に……。

こちらも騙すのが上手な道尾秀介さんらしい一作となっています。

決して他人ごとではない家族内での憤り、分かり合えないもどかしさ。複雑に混ざり合う全ての心情を上手くリアルに描く文章は圧巻。

家族に起こってしまう悲しい事件の中で垣間見える兄妹愛の強さ、一方で人間の愚かさを感じさせられる、家族の繋がりについて今一度深く考えさせられる内容です。

全ては雨のせいだと思わずにはいられない悲しい現実。

目を背けたくなるような内容ではありますが、それでも物語に引き込まれて、最後の最後まで楽しめる道尾さんの技術を見せつけられる作品です。

6.『ラットマン』

姫川亮という男性の身の回りで起こる不可解な2つの事件。その2つの事件をメインに登場人物それぞれの隠された素顔が明かされていく。

主人公・姫川亮の姉、また彼女のひかりを殺した犯人は果たして誰なのか?

真相が最後の最後まで分からない謎解きサスペンスとなっています。

ところどころにあるミスリード。これこそがこの作品の見どころだと言えます。

こいつが犯人か!と確信を持ち、読み進めてみると様々な真実が解き明かされていく。

複雑な人間関係の中でそれぞれの思い込みにより事件はこじれていく。まさにタイトルにもなっている「ラットマン」(騙し絵)の名の通り!

二転三転くるくると変わっていく道尾秀介さんが作り出すストーリーに引き込まれていきます。

「やられた!」「騙された!」という謎解きの答えを知った時のような面白さが醍醐味の傑作です。

もう道尾作品には騙されない!そう思っているあなたもついつい騙されてしまう秀逸な構成・伏線が癖になります。

7.『シャドウ』

主人公である凰介とその母親は「人は死んだらどうなるの?いなくなってそれだけなの?……」という会話を交わした後、その3年後に母親は病死してしまいます。

残された父との生活が始まってから数日後、友人の母親が自殺してしまったことを皮切りに、次々と不幸が襲い掛かります。

父と穏やかでささやかな生活を願うだけの小学5年生の凰介に待ち受けるラスト、驚愕の真実とは…!?

道尾秀介さんの4作目のミステリー小説で、第7回本格ミステリー大賞を受賞されています。

ミステリー小説は読み進めていくうちに、「あ、この人が怪しいな」と、ある程度の想像はできるものですが、この作品においてはラストのラストまで見事に騙され続けてしまいます。

登場人物それぞれの視点からの世界観が広がっていき、読めば読むほどに手が止まらなくなること間違いナシです。

推理が得意だ!と自信がある方にこそ、是非この作品を読んでいただきたいと思います。

8.『カラスの親指』

訳ありで詐欺師になってしまった竹夫は、入川とコンビを組んで詐欺を働いている。

ある日、彼らは同じように借金で苦しんでいる河合まひろ達に出会います。

借金により人生を狂わされた5人は組織に復讐を計画実行しますが、しかしそこには誰も予想だにしなかった真実が!

この作品は阿部寛さん主演の映画として映画化されているため、その作品名を耳にしたことのある方も多くいらっしゃるかと思います。

こちらの作品は爽快な一作となっており、読者もろとも見事に騙されてしまっているという道尾さんらしさがより一層光る作品です。

詐欺師を働いている彼たちの、全てが頭脳的かと思えば、心温まる家庭を思わせるような一面もあり人情溢れる物語になっています。

その見どころはやはり彼たちの華麗なる詐欺の働き方です。

驚愕のラストとなっておりますので、最後の1ページまで楽しめることでしょう。

9.『透明カメレオン』

ラジオパーソナリティの恭太郎は特殊な声の持ち主。

そんな彼のファンである恵との偶然の出会いこそが、彼の人生の分かれ道となりました。

恭太郎は、ひょんなことから彼女の考えた殺害計画に参加することになってしまいます。

どこか頼りない恭太郎が、彼女に振り回され続けたその結末はいかに!?

この作品の見どころは、後半からのハラハラドキドキの逃走劇と、ラストの優しい愛ある真実です。

頼りなかった恭太郎が魅せるラストの真実に涙腺崩壊してしまった人たちが多数!

この一作を通して、自分の弱さと向き合っていくことの難しさを知り、さらにその生きづらさを抱えながらでも生きていかなければならない強い心を持つことの難しさを知りました。

道尾さんのいつもの作品とは少し違う味があり、非常に面白かったです。

これから読んでみようと思う方は、是非ハンカチの準備をお忘れなく。

10.『背の眼』

ホラーとミステリーがうまく交わりあった秀作。心霊現象を解き明かす系のミステリです。

心霊写真の背中に目が映っていた人が不可解な死を遂げていく。とにかく不気味。

でもメチャクチャ怖いってわけではなくて、続きが気になってページをめくる手が止まらなくなるやつです。

心霊現象的なオチなのか、人為的なミステリでオチるのか、どっちに転ぶかわからないから面白い。

ホラーかミステリーか、ジャンルが確定しないまま読み進める少し珍しい読み心地で楽しいです。

上巻の冗長にも思える会話の中に、謎のヒントや伏線が張られていて、それらを最終的に回収し謎の解明まで落としこむ構成はさすがの一言。

霊現象と本格ミステリがいい具合に混ざって、上巻のモヤモヤが、下巻で怒涛の伏線回収されて最後はスッキリ!

道尾作品の中でこれが一番!という人も多いです。

おわりに

というわけで今回は、道尾秀介さんのおすすめミステリー小説をご紹介させていただきました。

道尾秀介さんの作品は『向日葵の咲かない夏』以外も面白すぎるのです!向日葵以外も読まないと損ですよ〜。

参考にしていただければ幸いです。

それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。
ミステリー小説が大好きです。

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