国内ミステリー小説– category –
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飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』- 禁断の問題作にして幻の傑作、再び。
飛鳥部勝則氏は、1964年に新潟県に生まれ、新潟大学大学院教育学研究科を修了された異色の経歴を持つ作家です。 1998年、『殉教カテリナ車輪』にて第9回鮎川哲也賞を受賞し、以来、ミステリという形式の中に独自の美学と倒錯を織り込んだ作品群で、多くの... -
京極夏彦『百鬼夜行シリーズ』徹底解説|おすすめ・魅力・見どころ・読む順番
京極夏彦(きょうごく なつひこ)が『姑獲鳥の夏』でデビューしたのが1994年。あの一冊で、まさに文壇に風穴を開けたって感じだった。 そこから始まる「百鬼夜行シリーズ(通称:京極堂シリーズ)」は、ただのミステリじゃない。ホラーであり、歴史小説で... -
有栖川有栖『国名シリーズ』徹底解説|おすすめ・魅力・見どころ・読む順番
有栖川有栖(ありすがわ ありす)って、現代本格ミステリ界ではもう鉄板の存在だ。 ガチガチの論理派でありながら、読み手をぐいぐい引き込むストーリーテリングもうまいから、昔から根強いファンが多い。 「論理って美しいんだぞ!」って声が聞こえてきそ... -
井上夢人おすすめ小説10選 – 読後に“世界がズレる”作家、唯一無二の傑作選
現実と虚構の境目が、ふいに曖昧になる瞬間。 それは、井上夢人という作家の世界に足を踏み入れたときに訪れます。 緻密な構成、ユニークな着想、柔らかでありながら鋭さを帯びた筆致。 彼の小説は、ジャンルを横断しながらも一貫して「読む者の常識を揺さ... -
森博嗣『S&Mシリーズ』の魅力を解説しながらひたすら語る【読む順番】
森博嗣(もり ひろし)という作家を「ミステリ作家」とだけ思っている人間は、おそらくあんまりいない。 むしろ「森博嗣って何者なんだ……?」ってなる読者のほうが多いんじゃないか。元・工学部助教授という異色すぎる肩書き、毎年何冊も出す異常なペース... -
『パンドラブレイン 亜魂島殺人(格)事件』-「孤島」×「密室」×「別人格」の傑作青春本格ミステリ
南海遊氏による注目の最新ミステリ作品『パンドラブレイン 亜魂島殺人(格)事件』。本作は、読者を奥深い謎の世界へと引き込み、興奮と驚愕に満ちた読書体験を提供します。 南海氏はこれまでにも、『永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした』など... -
『崑崙奴』- 古泉迦十氏、待望の帰還 ― 24年の沈黙を破る超大作
「幻の作家」とも称された古泉迦十氏が、実に24年ぶりに世に送り出した本格ミステリ超大作──それが『崑崙奴』です。 2000年に第17回メフィスト賞を受賞したデビュー作『火蛾』で、文学界に鮮烈な印象を刻みつけながらも、その後は長らく沈黙を貫いてきまし... -
笠井潔『夜と霧の誘拐』- 謎と哲学の交響。前人未到、永久不滅の誘拐ミステリ
現代日本文学、とりわけミステリの領域において、比類なき知性と深遠なテーマ性で独自の光彩を放つ作家、笠井潔氏。 その作品群は、単に巧妙な謎解きを提供するに留まらず、読者を存在の根源的な問いへと誘う力を持っています。 中でも、現象学を駆使する... -
遠坂八重『死んだら永遠に休めます』- こんな真相、知りたくなかった。悪夢の社畜ミステリ
現代日本文学における注目すべきミステリー作品が登場しました。遠坂八重氏による『死んだら永遠に休めます』です。著者は2022年に『ドールハウスの惨劇』で第25回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビューした新進気鋭の作家であり、本作はその筆力を改め... -
野島夕照『片翼のイカロス』- 上空500mでヘリと人間が衝突。奇々怪々な謎に迫るどんでん返しミステリ
ミステリ界に新たな才能が登場しました。野島夕照氏です。同氏は、島田荘司氏が選考を務める第16回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞において、本作『片翼のイカロス』で見事優秀作を受賞し、華々しいデビューを飾りました。 この賞は、本格ミステリの書...