国内ミステリー小説– category –
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『アルファベット荘事件』- トリックメーカー北山猛邦さんが贈る幻想ミステリ
巨大なアルファベットのオブジェがいたるところに置かれた『アルファベット荘』。 岩手県の美術商が所有するその屋敷には、オブジェの他に『創生の箱』と呼ばれるものが置いてあった。 『創生の箱』を所有したものはみな死ぬという不気味な伝説を持つ箱。 ... -
白井智之『死体の汁を啜れ』- 前代未聞の死体から始まる、新時代の本格ミステリ
豚の顔をした人間が死んでいる──。 なぜか人がよく殺されるこの町では、異常すぎる死体が発見される。 豚の頭を被った死体、頭と手足を切断された死体、胃袋が破裂した死体、死体の腹の中の死体……。 これらの事件の謎を解くのは、推理作家や悪徳刑事、女子... -
三津田信三『犯罪乱歩幻想』- 本格ミステリ大賞受賞の鬼才が乱歩に挑む
江戸川乱歩の小説世界に魅了された作者による、トリビュート5編に短編2編を加えたミステリ短編集。 “退屈病”に侵された青年が引っ越し先のアパートで体験する小さな異変の数々(「屋根裏の同居者」)。 赤い部屋に招かれたゲストが語る、猟奇的な話とその... -
麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』- 発表当時から話題騒然の超問題作が新装改訂版で登場
真宮和音という美少女の魅力に取りつかれた6人が共同生活を営んだ「和音島」の生活は、当の和音の死で解散となっていた。 20年という歳月が過ぎたこの夏、故人をしのび和音島に集まった数人と、取材を頼まれた雑誌記者・如月烏有。 真宮の死後自殺した武藤... -
伏尾美紀『北緯43度のコールドケース』- 江戸川乱歩賞受賞作は流石に面白い!
博士号を持ちながら、紆余曲折を経て30歳で北海道警察の警察官となった主人公・沢村依理子。 まだまだ男性社会の警察で、しかも異色の経歴を持つ彼女に、なんとなく周囲からの当たりは強い。 それでも、沢村に対して操作方法や取り調べの方法を教えてくれ... -
辻村深月『闇祓』- うちのクラスの転校生は、何かがおかしい。
とある私立高校に、白石要という転校生がやってきた。 クラスの委員長である原野澪は彼に学校を案内するものの、彼のおかしな距離の詰め方に驚愕してしまう。 『今日、家に行ってもいい?』といきなり言われたのだ。 その場は何とかやり過ごすものの、その... -
結城真一郎『#真相をお話しします』- ギョッとせずにはいられない、違和感と衝撃に満ちた短編集
家庭教師を依頼されて訪問したのに、家の様子も母子の様子も明らかにまともではなかったり。 マッチングアプリで独身と偽って若い女の子と出会ったものの、思わぬ落とし穴が待ち受けていたり。 15年前に提供した精子で生まれてきた娘と会うことになり、驚... -
芦辺拓『名探偵は誰だ』- 変化球的なフーダニットを楽しめる本格ミステリ短編集
私が旅好きなのは、ホテルの朝食が楽しみだからだ。 今回も、気持ちの良い目覚めととびきりうまい朝食を堪能できるはずだった。 しかし私の気分は最悪で、食事どころではなかった。 この席から、いや、相席となった四人の宿泊客の前から、逃げ出したくて仕... -
五十嵐律人『六法推理』- 法律知識で事件に挑む、学生版リーガル・ミステリ
法学部4年の古城は、大学内で無料法律相談を受け付けている。 ある日、経済学部3年の戸賀が相談しに来た。 「2年半ほど事故物件に住んでいるが、今まで何もなかったのに、最近になって奇妙な現象が起こるようになった」 とのことだった。 夜中に赤ん坊の泣... -
浅倉秋成『俺ではない炎上』- なりすまし被害で殺人犯にされたサラリーマンの逃亡劇
山縣泰介は、50代のサラリーマン。 それなりに出世しており、妻子もいて、順風満帆な日々……のはずだった。 それがもろくも崩れたのは、何者かが泰介になりすまして女性を殺害し、遺体の写真をTwitterでアップしたからだ。 ツイートはたちまち拡散され、炎...