国内ミステリー小説– category –
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2025年9月に読んで特に面白かった本15冊 – アンソニー・ホロヴィッツ『マーブル館殺人事件』ほか
2025年9月に読んだ本の中から、これは面白い!と思った15冊を紹介するよー。 ・2025年8月に読んで特に面白かった本17冊 – パーシヴァル・エヴェレット『ジェイムズ』ほか ・2025年7月に読んで特に面白かった本10冊 – 夜馬裕『イシナガキクエを探しています... -
青崎有吾『裏染天馬シリーズ』完全ガイド|名探偵×オタク=最強ロジック!現代のエラリー・クイーンが描く本格が面白すぎる
現代ミステリのど真ん中で、ずっとしっかり光ってる作家がいる。 それが青崎有吾(あおさき ゆうご)だ。 1991年生まれで、デビュー作『体育館の殺人』で鮎川哲也賞を取ったのが2012年。大学生の頃だった。若い探偵作家の登場に、「本格ミステリ、まだいけ... -
奥田英朗『伊良部シリーズ』紹介 – 最強の処方箋? 日本で最も奇妙なクリニックへようこそ
「いらっしゃーい!」 甲高い声で迎えられる伊良部総合病院・地下の神経科。 でもそこに待っているのは、癒しも共感もまるでない。患者たちを出迎えるのは、白衣にぽっちゃり体型、注射大好きでマイペースすぎる精神科医・伊良部一郎(いらぶいちろう)だ... -
『真珠郎』- 戦前の雑誌から飛び出した、横溝怪奇ミステリの原点
横溝正史(よこみぞ せいし)といえば「金田一耕助シリーズ」のイメージが強い人が多いと思う。 でも実は、その前段階で横溝の作風を決定づけた原点がある。 それが『真珠郎』だ。 1936年に雑誌『新青年』で連載され、翌年には単行本化されたんだけど、こ... -
門前典之おすすめミステリー小説7選 – なんでそんなトリック思いつくんだよ選手権、優勝作家。
バカミス、と呼ばれるジャンルがある。 「バカバカしいミステリ」の略だけど、これは決してバカにしてる言葉じゃない。むしろ逆で、あえて荒唐無稽な設定を使って、論理という武器で突き抜けたエンタメを叩き出す〈知の暴走〉みたいな小説たちだ。 そして... -
800ページの吸血鬼に挑む―― 笠井潔『吸血鬼と精神分析』というミステリの皮をかぶった殴り合い
笠井潔(かさい きよし)の『吸血鬼と精神分析』は、小説っていうより思想書だ。 もちろんミステリの体裁を取ってるし、殺人事件も起こる。でも、そこにあるのはただの謎解きではなく、著者自身の人生と思想をまるごとぶつけた知的格闘の記録みたいなもの... -
櫻田智也『失われた貌』- 顔を失ったのは、死体だけじゃなかった―― 三人の最強作家が揃って絶賛するんだから読むしかないでしょ【読書日記】
『失われた貌』を手に取ったきっかけは、帯に踊る三人の名前だった。 伊坂幸太郎が「ミステリーが好きで良かった」と感慨を述べ、恩田陸が「捜査と謎解きのハイブリッド」と驚き、米澤穂信は「ガッツポーズ」した。 こう並ぶと、もはや推薦文というより「... -
2025年8月に読んで特に面白かった本17冊 – パーシヴァル・エヴェレット『ジェイムズ』ほか
2025年8月の読書の中から、これは面白い!と思った17冊を紹介するよー。 1.狙われたキャンピングカーと、信じたい嘘―― ホリー・ジャクソン『夜明けまでに誰かが』 RV車で春休みの旅。6人の若者たちがキャンプ気分で出発した先に待っていたのは、まさかの... -
阿津川辰海おすすめミステリー小説7選 -「え、それアリ?」が全部アリになる、最前線の本格ミステリ作家
今いちばん勢いのある本格ミステリ作家は誰? と聞かれたら、真っ先にこの名前を挙げたい――阿津川辰海(あつかわ たつみ)。 2017年に『名探偵は嘘をつかない』でデビューしてからというもの、「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」な... -
『廃集落のY家』- これは霊の話じゃない。もっと生々しくて、もっと足元をすくう何かの物語だ【読書日記】
現代ホラーの怖さは、何も血まみれの化け物や悲鳴だらけの展開だけじゃない。むしろ、ありふれた日常が静かにずれはじめる瞬間にこそ、本当の恐怖は潜んでいる気がする。 『廃集落のY家』も、冒頭は拍子抜けするほど穏やかだ。大学の新歓合宿。まだ春の空...