国内ミステリー小説– category –
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『ライアーハウスの殺人』-「お前ら、私のトリックで死ね!」って言われて始まる二度読み必至の館モノ【読書日記】
ミステリ好きの血が騒ぐときって、大体は「館」「孤島」「嵐」「不可解な殺人」といったワードが目に入った瞬間だ。 いわゆる「館もの」ってやつ。これが出てくると、「はいはい、どうせあのパターンでしょ」と思いつつもワクワクが止まらない。あの様式美... -
平山夢明おすすめ小説10選 -「二度と読みたくない」と言いながらハマる。これは、小説という名の拷問だ
平山夢明(ひらやま ゆめあき)の小説を読んだことがある人なら、きっと一度は思ったことがあるだろう――「なんでこんなものを書けるんだろう?」と。 グロテスクで、残酷で、容赦がなくて、それなのにどこか笑ってしまう。あるいは、心の奥にひっそりと置... -
『朝からブルマンの男』- 2,000円のコーヒーをなぜいつも残すのか?から始まる、とびきりの日常の謎5連発【読書日記】
2000円のコーヒーなんて、そもそも注文するだけでも勇気がいる。 それを、週に三度も頼んで、しかも毎回5,000円札で支払い、なぜか半分ほど残して帰っていく――そんな男がいたら、誰だって気になって仕方ないはずだ。 水見はがねのデビュー作『朝からブルマ... -
『寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理』- 読んでも解けない、読んだのに怖い。三津田信三の呪いにかかった夜【読書日記】
三津田信三を読むと、毎回「あぁ、やっぱりこの人すごいな」と唸ってしまう。 ホラーとミステリを組み合わせる作家は他にもいるけれど、「曖昧性」そのものを物語のエンジンにしてる作家はそうそういない。 怖いのか? 謎なのか? どっちでもあり、どっち... -
2025年7月に読んで特に面白かった本10冊 – 夜馬裕『イシナガキクエを探しています』ほか
2025年7月に読んだ本の中から、特に面白かった10冊をピックアップした。 暑い日にゴロゴロしながら読んだものもあれば、気づけば夜更かしして一気に読み切ったものもある。 ジャンルはミステリー中心だけれど、今月はホラーが大当たりばかりだった。 そん... -
法月綸太郎おすすめミステリー小説12選 – 騙されたい人も、論理を味わいたい人もハマる、法月綸太郎入門リスト
1980年代の終わり、日本のミステリ界はちょっとした革命期だった。 社会派の重いテーマが主流だったところに、島田荘司(しまだ そうじ)や綾辻行人(あやつじ ゆきと)が登場し、昔ながらの謎解きの面白さを復活させたのが「新本格」ムーブメントだ。読者... -
貫井徳郎『不等辺五角形』- 私が殺したの。――その一言から全てが崩れ始める【読書日記】
二十年以上続いた絆は、ひと晩で簡単に形を変える――それがこの物語の始まりだ。 貫井徳郎『不等辺五角形』は、読み始めたときの空気と、読み終えたときの空気がまるで違う。 最初は爽やかな夏の海辺、旧友たちの再会、葉山の別荘という閉ざされた空間。い... -
『密室』が凄いミステリー小説おすすめ50選 – 古典から現代まで、絶対に読んで損なしの決定版
ミステリーといえば、やっぱり外せないのが〈密室〉だ。 鍵がかかった部屋の中で死体が見つかる、誰も出入りできるはずがないのに犯行が成立してる――あの「どうなってんだよ?」ってなる瞬間がたまらない。 密室トリックって、作者と読者の真剣勝負みたい... -
歌野晶午おすすめミステリー小説15選 – 騙し、泣かせ、裏切ってくる。歌野晶午って、そういう作家だ
歌野晶午の小説は、一言でいえば「容赦がない」。 ミステリとしてしっかり面白いのは当然として、読者の心をえぐってくるような展開も平気で突っ込んでくる。 きれいに伏線を回収してくれるし、ロジックも抜群にキレている。でも、それだけじゃ終わらない... -
小林泰三おすすめ小説15選 – ミステリ、ホラー、SF、全てが最高峰の作家
小林泰三(こばやし やすみ)の小説を一言で説明するのは難しい。 ホラーを読んでいたはずが、いつのまにか本格ミステリになっている。SFだと思っていたら、哲学的な問いが突きつけられる。 ジャンルの境界なんて最初から無視しているような作風だが、それ...