新着記事
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国内ミステリー小説
森晶麿『切断島の殺戮理論』- 隠蔽された異形の島で、狂気の殺戮が始まる
大学四年生の岩井戸は、学業にも就職活動にもさほど情熱を注いでこなかった。 しかし文化人類学の植原カノン教授に一目惚れしてからは、彼女の講義を最前列で受け、レポートも熱に浮かされたかのように一気に書き上げた。 そのレポートが植原の目に留まり... -
国内ミステリー小説
櫛木理宇『監禁依存症』- 目には目をでは済まない残虐非道な復讐劇
小諸は主に性犯罪者を弁護する弁護士。 過去に何件もの性犯罪を強引に示談にしてきたため、裁きを求める被害者側からはひどく憎まれていた。 ある時、出張で海外に向かった小諸のもとに、妻から連絡が入る。 一人息子が何者かに誘拐され、身代金を要求され... -
海外ミステリー小説
サラ・ペナー『薬屋の秘密』- その薬屋には、女性を救うための罪深い秘密がある
結婚10周年に夫と旅行する予定だったキャロラインは、直前に夫の不貞が発覚したため、一人でロンドンに行くことに。 せっかくの記念旅行が傷心旅行になってしまい、落ち込むキャロラインだったが、テムズ川のほとりでふとガラス瓶を見つける。 ちょっとし... -
ホラー小説
冲方丁『骨灰』- 無数の死者を踏みつけて発展する東京を描いたモダンホラー
光弘が勤める大手デベロッパーでは、渋谷駅の再開発事業のために現場の地下を調べることになった。 SNSで「人骨が出た」「有害なものが出てる」「作業員全員入院」など、この場所についての薄気味悪い書き込みが続いたからだった。 広報担当者として現場に... -
海外ミステリー小説
アリス・フィーニー『彼は彼女の顔が見えない』- 不仲の夫婦は閉ざされたチャペルで何を見たのか
夫婦として冷え切ってしまっているアダムとアメリア。 関係を見直すためにスコットランドへ旅行に行くが、道中も言い争いばかり。 しかも吹雪に見舞われてしまう。 ようやくたどり着いたチャペルは、古くて真っ暗で、まるでホラー映画のようだった。 引き... -
ホラー小説
滝川さり『ゆうずどの結末』- 少しでも読んだら呪い殺される、禁忌のホラー小説
大学の文芸サークルに所属する菊池と日下部は、メンバーの宮原が飛び降り自殺するところを目撃した。 血溜まりに沈んでいく彼女の遺体のそばには、ホラー小説『ゆうずど』が落ちていた。 彼女は最近、「紙の化け物が見える」と悩んでいたらしいが、それと... -
国内ミステリー小説
中山七里『ヒポクラテスの悲嘆』引き籠り、暴力、老々介護……。家庭の闇をメスで暴く
浦和医大法医学教室には、今年に入ってから三度もミイラ化した遺体が運び込まれていた。 このハイペースは異常だ。 今回の遺体は40代女性のもので、死後二ヶ月以上が経過。 埼玉県警の古手川の調べによると、彼女は二十年もの間引きこもっており、母親が食... -
国内ミステリー小説
夕木春央 『サロメの断頭台』- 戯曲を模した連続殺人事件を描く大正ミステリー
画家の井口のアトリエに、オランダの富豪であり美術品収集家のロデウィックが訪れた。 絵を高値で買ってもらうチャンスだったが、井口は逆に盗作の疑いをかけられてしまう。 どうもロデウィックは、井口の絵とそっくりな作品をアメリカで見たことがあるら... -
国内ミステリー小説
五条紀夫『クローズドサスペンスヘブン』- 生前の記憶を探る、天国からの謎解きミステリー
気が付いたら、太陽がギラギラ照り付けるリゾートビーチにいた。 ここは、どこだろう。そして、俺は誰だろう? 記憶がなかった。名前も思い出せない。 ただひとつ覚えているのは、誰かに首を斬られて死んだ時の生々しい感触。 そう、俺は確かに殺されたの... -
ホラー小説
尾八原ジュージ『みんなこわい話が大すき』- 押し入れに潜んでいたのは友達?怪異?それとも……
小学4年生のひかりは、両親の離婚後に母親と市営住宅に引っ越し、転校した。 新しい小学校ではクラスに馴染めず、机をひっくり返されたり、ロッカーの中身をぶちまけられたりと、いじめられてしまう。 母親はかばってくれず、むしろ周囲と仲良くできないこ...
