女性探偵が活躍するミステリー小説おすすめ25選【国内編】

  • URLをコピーしました!

女性の探偵っていうのは、それだけで魅力的なものがあります。

最初は15作品くらいに絞ろうかと思っていたのですが、書き出していたらあれよあれよと女性探偵の名が浮かんできて、25作品になっちゃいました。

みんな個性的で、魅力のある女性探偵ばかり。本格モノから、ライトミステリ、ユーモアミステリ、など様々な分野で活躍しております。

海外の女性探偵も入れるつもりだったんですけど、とんでもない数になりそうだったので、今回は国内作品だけにしました。

どうぞ、参考にしていただければ幸いです(๑>◡<๑)

目次

 1.有栖川有栖『ソラシリーズ/空閑純シリーズ』

・探偵役【空閑純(そらしずじゅん)】

「探偵行為が法律で禁止された、架空の日本」が舞台。母は行方不明、父は逮捕、という過酷な状況の中、高校生・空閑純が奮闘していきます。

「探偵とは?」の意味を問いかけた本格ミステリであり、青春小説の一面も強く、ソラの友人も良いキャラをしていて楽しく読める。ソラたちをもっと見守っていたいなーって気持ちにさせてくれます。

とは言っても、推理やトリックに関しては完全に有栖川有栖さん。面白いに決まっているじゃないですか。

「推理小説」「青春小説」「探偵という存在への問いかけ」。この三つがバランスよく配合された、他のものでは味わえない作品となっています。

有栖川さんを代表する《作家アリスシリーズ》や《学生アリスシリーズ》とはまた別の世界観で、独特の面白さがあるんですよねえ。

絶対、ソラシリーズはもっと多くの人に読まれるべきなのです。

2.若竹七海『葉村晶シリーズ』

・探偵役【葉村晶(はむらあきら)】

あまりにもトラブルに巻き込まれ悲惨な目に会うことから「不運な女探偵」として有名な葉村晶が、次々に事件を解決していく人気シリーズ。

結構ハードボイルドだったり、ブラックな後味だったり、見ていてかわいそうにも思えてくるんだけど、それがクセになってしまう(葉村さんスイマセン)。

1作目『プレゼント』は8編からなる短編集で、葉村晶の魅力がグッと詰まっています。すぐにハマっていただけますよ。

とにかく質の高いミステリシリーズですので、読んで損はなし。

3.北森鴻『蓮丈那智フィールドファイル』

・探偵役【蓮丈那智(れんじょうなち)】

日本の女性探偵の中で5本の指に入るほど好きなキャラクターです。

東敬大学助教授。

年齢不詳、短髪、足が長く身長も高く、しゃべり方も男性的で、彫りが深くモンゴロイド離れしたした中性的な美女。

周りの研究者からも「超変わり者」と称される思考の持ち主です。最高のキャラ設定ですね。

このシリーズの特徴は、民俗学とミステリーの融合。民俗学特有の怪しげな雰囲気とミステリの相性が抜群なのです。

1作目『凶笑面 蓮丈那智フィールドファイル』は5編からなる連作短編集。

初っ端から蓮丈那智ワールドが満載なので、ちょっとでも面白いと思っていただけたならぜひ続編をどんどん。

4.森博嗣『Vシリーズ』

・探偵役【瀬在丸紅子(せざいまる べにこ)】

好きですね。お嬢様です。

森博嗣さんの「S&Mシリーズ」に続く「Vシリーズ」の主人公の1人で探偵役を勤めます。

このシリーズの見所は、ミステリの質の高さだけでなく、紅子を含めた、保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子たちのやり取りやセリフまわしなど。

紅子以外の3人は同じ「阿漕荘」の住人であり、保呂草潤平は私立探偵、小鳥遊練無と香具山紫子は大学生。

そんな4人が事件に巻き込まれてワイワイやるのだから、楽しいに決まっています。

詳しいことは言えませんが、「Vシリーズ」の前に「S&Mシリーズ」は読破しておきましょう。絶対です。

5.七河迦南『七海学園シリーズ』

・探偵役【北沢春菜(きたざわはるな)】

児童擁護施設「七海学園」の保育士である北沢春菜が、学園内で出くわした不可解な謎を解決していきます。

このシリーズの見所は、なんと言っても「伏線の多さと回収の気持ち良さ」。

七海学園シリーズ1作目は『七つの海を照らす星 (創元推理文庫)』。タイトル通り、バラバラだった星が線で繋がり星座となるような物語なのです。

七海学園で暮らす子供達みな複雑な状況にあり、起きる事件も不可解なものばかりですが、それでも最後は希望の光を見せてくれる、暖かい作品です。

続編『アルバトロスは羽ばたかない (創元推理文庫)』もあります。

本当にイチオシのシリーズですので、ぜひ2作続けてどうぞ。

6.二階堂黎人『二階堂蘭子シリーズ』

・探偵役【二階堂蘭子(にかいどうらんこ)】

映画女優のような豊かな巻き毛が特徴の美人探偵・二階堂蘭子が活躍するシリーズ。

古き良き本格ミステリが好き、という方はすぐ手に取りましょう。

オススメは、

1作目『地獄の奇術師(講談社文庫)

2作目『吸血の家 (講談社文庫)

3作目『聖アウスラ修道院の惨劇 (講談社文庫)

4作目『悪霊の館 (講談社文庫)

5作目『人狼城の恐怖(講談社文庫)

まで。

そりあえず、この5作品だけでも読んでみてください。蘭子シリーズの全盛期です。

5作品だけでも、と言いつつ、『人狼城の恐怖』は「世界最長の推理小説」で、全四部作合わせて2700ページくらいあるんですけどね。はっはっは。

7.匠千暁シリーズ(タック&タカチシリーズ)

匠千暁(タック)、高瀬千帆(タカチ)、辺見 祐輔(ボアン先輩)、羽迫 由起子(ウサコ)、の4人を中心としたミステリシリーズ。

この4人が中心となり、事件に巻き込まれ、飲んで、推理を出し合って、飲んで、ワイワイやって、飲みます。

タカチは別に女性探偵というワケではないのですが、好きすぎるシリーズなので無理やりねじ込みました。まあ、タカチも推理しますし、いいじゃない。

時系列的な1作目『彼女が死んだ夜』では大学生で、「一応」男子禁制のアパートに1人暮らし。

180cm近くある身長、モデルのようなスタイル、ハーフのような美人でありながら、近寄りがたい雰囲気を漂わせている。女性にモテる。

なにが言いたいかって、この4人の絡みがとっても良いんだってこと。特にボアン先輩のキャラがいい。

騙されたと思って1作目『彼女が死んだ夜 (幻冬舎文庫)』と2作目『麦酒の家の冒険 (講談社文庫)』を読んでみてくださいな。

彼らが大好きになりますから。

シリーズを追うごとに彼らが成長していくのも魅力なんですが、ちょっと寂しくもある。

8.石持浅海『碓氷優佳シリーズ』

・探偵役【碓氷優佳(うすいゆか)】

探偵ではなく、犯人視点で物語が進む作品を「倒叙ミステリ」と言います。

その倒叙ミステリの中で、碓氷優佳シリーズは特に面白い。

1作目『扉は閉ざされたまま』では、ペンションでの同窓会中におきた密室殺人を、扉を開けることなく見抜いてしまいます。

意味がわからないレベルの洞察力です。

こちらは犯人視点で読んでいるので、彼女が言うこと為すことに恐怖しか感じません。

この、探偵に対して抱く「頼むからそれ以上やめてえ!」という恐怖心こそ、倒叙ミステリを読む醍醐味です。

9.川瀬七緒『法医昆虫学捜査官シリーズ』

・探偵役【赤堀涼子(あかほり りょうこ)】

「法医昆虫学」という珍しい分野に焦点を当てたとても面白いシリーズ。絶対もっと読まれるべきなんですよねえ。

昆虫学者・赤堀涼子が「虫」を手がかりに事件の真相を暴いていきます。

「法医昆虫学」とは、死体を摂食する昆虫から、死亡推定時刻や死因などを推定する学問のこと。

小さな虫から得た手掛かりがどんどん繋がっていって、思いもよらぬ真相が明らかになっていく過程は他の作品では味わえない快感があります。

随所で披露される昆虫に関する知識にもワクワクしますよ。

もちろん赤堀涼子のキャラクターが良いのは言うまでもありません。彼女がいるからこそ、このシリーズをオススメするのです。

10.米澤穂信『王とサーカス』〈ベルーフ〉シリーズ

・探偵役【大刀洗万智(たちあらい まち)】

前作『さよなら妖精 (創元推理文庫)』の出来事から10年後、フリーの記者となった大刀洗万智が異国の地でネパール王族殺害事件に巻き込まれる。

ジャーナリストとして動き出した大刀洗万智ですが、事件は思いもよらぬ方向へ。

王道の推理小説ではなく、「ジャーナリズムとは?」を考えさせられる深いミステリー。

物語の展開は面白いし、情景描写も素晴らしいし、あの結末はグッと心に残る。『さよなら妖精』を読んでいるとなお良し。

『王とサーカス』の次は『真実の10メートル手前』へと続きます。

米澤穂信さんなんだから、面白いに決まっているのです。

11.相沢沙呼『マツリカシリーズ』

・探偵役【マツリカ】

シリーズ3作目『マツリカ・マトリョシカ』が名作すぎて。

天才すぎますマツリカさん。

よくある青春ライトミステリーか、なんて思って読み始めると、予想外の面白さにビックリします。王道なようで、微妙にズレがある。このズレに、ハマる。

青春ミステリの皮をかぶった、何か別物のように感じます。

1作目『マツリカ・マジョルカ(角川文庫)』は「安楽椅子探偵」モノで、高校1年の柴山祐希が、学校近くの廃墟に住む謎の美女マツリカに謎を持ち込み解決してもらう、という展開。

連作短編集となっており、伏線回収の気持ちよさと意外な真相の両方が楽しめる「さよならメランコリア」は必見。

シリーズ2作目『マツリカ・マハリタ(角川文庫)タ』も安定の面白さ、シリーズ3作目の『マツリカ・マトリョシカ』は超名作です。

お読みでないなら、まずは1作目だけでも。

12.三上 延『ビブリア古書堂の事件手帖』

・探偵役【篠川栞子(しのかわ しおりこ)】

本が好き。ミステリが好き。

なら読むしかないでしょう。

古本屋「ビブリア古書堂」の店主・栞子さんが、古書にまつわる謎を解き明かしていく日常の謎。

ミステリとしても良いのですが、なにより「古書の物語」として面白い。いろんな古書や名作についての知識が豊富で、読んでいるだけでワクワクします。

このシリーズに登場する古書や名作が読んでみたくなるんです。「いろんな本に出会える」。これこそシリーズ最大の魅力でしょう。読書の幅が広がります。

私自身、ビブリアシリーズのおかげで出会えた作品が何作もあります。

13.桜庭 一樹『GOSICK-ゴシック-』シリーズ

・探偵役【ヴィクトリカ・ド・ブロワ】

ええ、ヴィクトリカが好きなんです。

桜庭一樹さんの描くヴィクトリカの細かい仕草や表情が可愛すぎて、もう。

異国の地に留学してきた主人公・久城 一弥が、図書館塔の頂上に佇む美少女ヴィクトリカ・ド・ブロワ(ヒロイン&探偵役)と共に様々な事件、困難に立ち向かう物語です。

よくある学園ライトミステリかと思いきや、ヴィクトリカがかなり深い闇を抱えており、巻を追うごとに壮大な冒険小説へとなっていきます。

ライトミステリー小説であり、冒険小説なのです。

殺人事件も起きますが、トリックがすごい!とかヤラレタ!とか、そういう本格モノを求めて読む作品ではありません。

久城一弥とヴィクトリカの冒険と活躍を見守る作品なのです。

14.松岡圭祐『万能鑑定士Qシリーズ』

・探偵役【凜田莉子(りんだ りこ)】

ライトミステリですが、凜田莉子の論理的思考(ロジカルシンキング)による推理、事件に使われるトリックとその真相は読み応えがあります。

読みやすく、キャラクターも立っているし、蘊蓄、雑学がたくさん盛り込まれていて読んでいて楽しいです。

ミステリとしては軽いなあ、なんて思いながら、気がついたらシリーズ制覇しちゃいました。結局面白いんですよね。

Qシリーズ以外にも面白い女性探偵シリーズを書かれているので、以下の記事を参考にしていただければ嬉しいです。

15.西尾維新『掟上今日子の備忘録』

・探偵役【掟上 今日子(おきてがみ きょうこ)】

『化物語』シリーズや『クビキリサイクル(戯言シリーズ)』でおなじみの西尾維新さん。

掟上今日子(おきてがみきょうこ)という探偵は、寝ると記憶を全て失ってしまいます。ゆえに「忘却探偵」と呼ばれています。

なので、依頼人から持ち込まれる事件を「ほぼ」1日で解決しなくてはなりません。

もちろんこれが見所で、独特の設定を生かしてミステリが楽しめます。

西尾作品は基本的に文章のクセが強めなのですが、このシリーズは他に比べて読みやすい仕上がりになっています。

16.近藤史恵『天使はモップを持って』

・探偵役【嶺川 桐子(みねかわ きりこ)】

サクリファイス (新潮文庫)』や『タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)』などでおなじみの近藤史恵さんの作品。

社会人一年生の大介は、平和なはずのオフィスで様々な事件に出くわす。

それらを、ビルの清掃員キリコちゃんがババーンと解決していきます。

このキリコちゃんが、働き者で、可愛くって、お洒落で、読んでいると元気を貰えちゃうんですよ。

サクサク読めてお手頃感があるのですが、最終章では……!

シリーズは、

1作目『天使はモップを持って (文春文庫)

2作目『モップの精は深夜に現れる (文春文庫)

3作目『モップの魔女は呪文を知ってる (実業之日本社文庫)

4作目『モップの精と二匹のアルマジロ (実業之日本社文庫)

5作目『モップの精は旅に出る

とありますが、今のところ全部面白い。

17.北村薫『覆面作家』シリーズ

・探偵役【新妻千秋(にいづま ちあき)】

「円紫さんシリーズ」でおなじみの北村薫さんの作品。

新妻千秋(にいづま ちあき)というとても美人なお嬢様が探偵役なのですが、とにかく彼女のキャラクターが良い。

千秋さん、屋敷の中ではおとなしく可憐な方なのに、外に出ると性格が豹変してしまうんです!

「新妻さん」

千秋さんはぴたりと足を止め、振り向いた。

「やめてくれよ」

「は?」

「は、じゃないよ。いやだから、やめてくれっていってるんだ」

別人かと思った。だが間違いなく、あのどきりとするほど可憐なお嬢様である。その描いたように形のいい眉がキリキリと寄せられている。寒風が二人の間で、ひゅうっと鳴った。

P.43より

さっきまであんなに可憐だったのに……!

ユーモアのある会話劇、推理も鮮やかで、コミカルで楽しく、サクサク読みやすい。

全3作。

2作目『覆面作家の愛の歌 (角川文庫)』、3作目『覆面作家の夢の家 (角川文庫)』と続くのですが、一気読みしちゃってください。

3作目の『覆面作家の夢の家』が本当に素晴らしいんです。キャラクターの魅力とミステリー小説の良さが両方味わえる名作です。

18.青柳碧人『浜村渚の計算ノート』

・探偵役【浜村渚(はまむら なぎさ)】

政府によって義務教育から数学が削除されてしまった世界。

「黒い三角定規」という集団が、「義務教育における数学の地位を向上させる」ことを要求し、様々なテロ行為を行っていきます。

そこに数学大好き中学生・浜村渚が登場し、黒い三角定規が繰り出す難問をバンバン解いていく、という物語。

ミステリー小説というより、「数学の面白さを教えてくれる小説」ですね。

私自身、数学は苦手な方ですが、浜村渚の計算ノートを読むと「へえ面白いなあ」なんて思わせてくれますからね。

すごいですよ、数学の世界。

19.桐野夏生『顔に降りかかる雨』

・探偵役【村野ミロ】

桐野夏生さんの村野ミロシリーズ。新装版になってもう一回集めてしまった。

ミロの親友が1億円という大金を持って失踪。その行方を追っていくハードボイルドもの。

スピーディに物語が進むし、二転三転する展開であっという間に読み終わる。謎解きを重視した「推理小説」ではないですが、ラストにはアッと。

桐野夏生さんの作品をあまり読んだことがないという方も、まずはこの作品だけでも読んでみては。きっとシリーズを追いかけたくなります。

1作目では事件に巻き込まれて探偵役をやらざるを得なかった、という感じですが、2作目『天使に見捨てられた夜 (講談社文庫)』ではちゃんとプロの女探偵として活躍します。

20.北山猛邦『猫柳十一弦の後悔』

・探偵役【猫柳十一弦(ねこやなぎじゅういちげん)】

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)』殺人事件など、「城シリーズ」でおなじみの北山猛邦さんの孤島モノ。

探偵助手学部に所属する大学生が、ひょんなことから女探偵・猫柳十一弦が教官を務めるゼミに入ることになる。

そのまま合宿で孤島に向かうが、殺人事件に巻き込まれてしまう!

大学生たちが孤島で殺人事件に、という本格好きをくすぐる設定をやってくれる北山さん好き。

しっかり本格ミステリしていながらも、猫柳先生のキャラで癒され、軽めの雰囲気でサクサクと。

舞台は王道なんですが、この猫柳先生、「探偵は犯罪が起こる前に防ぐべき」をポリシーとしたタイプの探偵なんですよね。そこが、本作の大きな特徴です。

事件を防ぐために奮闘する猫柳先生の活躍をぜひ。

シリーズ2作目『猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社文庫)』もあります。

21.麻耶雄嵩『貴族探偵対女探偵』

・探偵役【高徳愛香(たかとくあいか)】

貴族探偵シリーズの第二弾。

女探偵・の視点で進められていく5篇からなる短編集。

毎回、愛香が事件に巻き込まれ、推理をするのですが、「貴族探偵」というとんでもない探偵が登場し、愛香をコテンパンにします。

1作目『貴族探偵 (集英社文庫)』と違い、女探偵・愛香の登場によって、一つの事件に対して複数の推理が飛び交う「推理合戦」も楽しめる。

特に最終話は必見。

22.知念 実希人『天久鷹央の推理カルテシリーズ』

・探偵役【天久鷹央(あめくたかお)】

素晴らしい知力と記憶力を持つ天才。だけどワガママで正確に少し難あり。

27歳にもかかわらず、小柄で童顔なため高校生に間違えられるという可愛さを持っている。

そんな女医・天久鷹央が探偵役となり、小鳥遊という人物がワトスン&語り部となります。

天才的頭脳を持ち変わった性格の探偵役が、ワトスン役を振り回しながら事件を解決、というミステリー小説の基本スタイルが良い。

医療ミステリー、というと難しそうなイメージを持つかもしれませんが、天久鷹央の推理カルテシリーズはそんな心配は無用。

文章がライトでとても読みやすく、度々登場する医療用語もわかりやすく説明してくれている親切設計。キャラよし、ユーモアありでサクサク読めます。ぜひお気軽に1作目から。

読めば読むほど天久鷹央の意外な一面が見れて、シリーズにどんどんのめり込んでしまう。

23.東川篤哉『探偵少女アリサの事件簿』

・探偵役【綾羅木有紗(あやらぎ・ありさ)】

烏賊川市シリーズでおなじみの、東川篤哉さんによるユーモアミステリ。

スーパーをクビになり、なんでも屋を始めた橘良太、三十一歳。

ある日、依頼で訪れた豪邸で殺害事件に巻き込まれ、濡れ衣まで着せられてしまう。

大ピンチの良太の前に、自らを探偵と名乗る十歳の美少女・綾羅木有紗が現れた!良太は彼女とともに事件の推理をすることに……!

このコンビが良いんですよ。やりとりが楽しくて。気分が疲れているときに読みたいですね。

ミステリであるのに、難しいことは考えず、ただただ楽しむために読めるのって良いなあ。

やはり東川さんは読者を楽しませるのがお上手。

24.市川 憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』

・探偵役【マリア&九条漣】

第26回鮎川哲也賞受賞作。「21世紀のそして誰もいなくなった」と呼ばれる本格ミステリ。

特殊な技術を用いた小型飛行船「ジェリーフィッシュ」の中で、技術開発メンバー6人が次々に殺害されていく。

そして最後には誰も……。

なにより、事件を捜査するマリアと九条漣のキャラクターが良い。

ミステリ的にも文句なし。こういうのが読みたかったんです!とお礼を言いたいくらいの本格モノ。

シリーズ第二弾『ブルーローズは眠らない』も続けてどうぞ。

いま最も注目しているシリーズの一つ。

25.今村昌弘『屍人荘の殺人』

・探偵役【剣崎比留子(けんざきひるこ)】

説明不要ですね。

第27回鮎川哲也賞受賞作、『2018年版 このミステリーがすごい!』第1位。

初めて読んだとき、ミステリとしての素晴らしさはもちろん、「これは良い女性名探偵が誕生した!!」と喜びました。

実際、女性が探偵「役」を務める作品は多いんですけど、剣崎比留子のような「名探偵らしい名探偵」って少ないんですよね。これだけで希少な存在です。

もっと彼女の活躍を見ていきたい。どんどん続編をお願いします(本気)。

おわりに

思いつくままに一気に書いたので、もしかしたら書き忘れているオススメ女性探偵がいるかもしれません。

思い出し次第、随時更新していきます。

実はもうすでに何人か思い浮かんでいるのですが、キリがなくなりそうなので一度25作品で区切ります。

そういえば『NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス)』も女性探偵だった……。

オススメしていいのかわかりませんが、責任はとりません( ゚∀゚)

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。
ミステリー小説が大好きです。

目次