傑作小説エッセイ– category –
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傑作小説エッセイ
梓崎優『叫びと祈り』- ミステリが旅をはじめたとき、「動機」は世界を語りだす【傑作小説エッセイ】
梓崎優『叫びと祈り』を初めて読んだときの衝撃は、いまだによく覚えている。 それは単なる面白いミステリではなかった。読み進めるうちに、まるで地図の端っこがぐいっと引っ張られ、世界そのものの形が変わっていくような感覚があった。 収録された短編... -
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郷内心瞳『拝み屋怪談 花嫁の家』という、あらゆるホラー作品の中でもぶっちぎりの化け物について【傑作小説エッセイ】
世の中にあるホラー作品の多くは、人を怖がらせるために存在する。 だが、稀に「怖がる事しかできない」本がある。そういう作品の前では、理性も娯楽も無力だ。 郷内心瞳(ごうない しんどう)の『拝み屋怪談 花嫁の家』は、その代表格であり、化け物であ... -
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中西智明『消失!』- 前代未聞のトリックに脳が飛ぶ、新本格が生んだ伝説のカルトミステリ【傑作小説エッセイ】
ミステリを読み漁っていると、たまに「伝説」のように語られる作品に出会うことがある。 『消失!』も、そんな一冊だ。 1990年、講談社ノベルスからデビューした中西智明は、この『消失!』一作で文字通り「消失」してしまった。もちろん実際には存在して... -
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島田荘司『異邦の騎士』- 魂を救う物語は、探偵小説の顔をしてやって来る【傑作小説エッセイ】
島田荘司の『異邦の騎士』を初めて読んだとき、自分がどんな気持ちになったのか、いまだに言葉にしづらい部分がある。 「泣けるミステリ」なんて安直な言葉は使いたくない。けれど、これは間違いなく心を揺さぶられた読書体験だった。そう簡単に忘れられる...
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