国内ミステリー小説– category –
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吉田恭教『MEMORY―螺旋の記憶』- 眠っていた過去を呼び覚ますと惨劇が待っていた
鏡探偵事務所に、奇妙な依頼が来た。 9年前に滝田幸秀という人物の調査を依頼してきた女性が、今回は失踪した息子・智輝を捜してほしいというのだ。 聞けば智輝の失踪には、9年前の調査が関係しているという。 そこで元刑事の探偵・槙野が当時の調査記録を... -
柳広司『パンとペンの事件簿』- どんな事件もペンで解決!大正時代の文筆集団・売文社
「ぼく」はさんざん殴られ、蹴られ、路上に打ち捨てられた。 暴行を受けた理由は、勤務先の工場で労働条件改善の交渉をしたからだ。 それを苦々しく思った工場は、ヤクザを雇い、ぼくを暴力で追い出したわけだ。 重傷を負って路上に倒れたぼくは、社会主義... -
由野寿和『アイアムハウス』- 血なまぐさい事件が続く高級住宅地に隠されていた秘密とは
十燈荘は、世界遺産の藤湖を一望できる風光明媚な高級別荘地。 その一角にある秋吉家で、残酷な殺人事件が発生した。 世帯主である秋吉航季を始め、妻や娘がそれぞれ残酷な方法で殺されていたのだ。 息子は一命を取り留めたものの、首を絞められ意識不明の... -
桜庭一樹『名探偵の有害性』- 自分たちは本当に正しかった?名探偵と助手が過去を振り返る旅に出る
かつて、名探偵が大流行した時代があった。 名の売れた探偵はタレントのように芸能事務所に所属し、難事件の知らせが入ると現場に駆け付け、カメラの前で揚々と推理を展開してみせるのだ。 名探偵はお茶の間で人気となり、特に優秀な者は四天王と呼ばれ、... -
高野結史『バスカヴィル館の殺人』- 古典名作になぞらえた殺人ゲーム!芯の探偵役と被害者役は誰?
富豪たちが開催するゲーム「リアル・マーダー・ミステリー」。 名作ミステリーになぞらえたシナリオを用意させておき、犯人役や被害者役といったキャスト、舞台も揃え、自分が探偵役となって推理を楽しむ「探偵遊戯」だ。 ただし、ゲーム内で起こる殺人は... -
金子玲介『死んだ石井の大群』- 大勢の石井同士が殺し合う、前代未聞のデスゲーム
石井 唯は、死にたいと思いつつも、だらだらと日々を過ごしてきた中学二年生。 ある時気が付くと、見慣れない真っ白い部屋にいた。 なぜか体操着を着ていて、首には金属製の頑丈な首輪。 自分以外にも幅広い年齢層の人々がいて、全員が体操着に首輪をつけ... -
芦辺拓『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』- 幻の未完作品が90年の時を経てついに完結!
作家の「私」が売りつけられた2冊の犯罪記録。 心霊マニアの祖父江という人物が書いたものらしい。 そこには、祖父江の仲間である美しき未亡人・姉崎曽恵子の奇怪な死について記されていた。 姉崎未亡人の遺体は、鍵のかかった土蔵に全裸で横たわっていた... -
潮谷験『ミノタウロス現象』- 突然怪物が現れた!撃ち殺すと中身が政治家で…!?
オーストラリアの牧場に化け物が出現した。 ギリシャ神話に登場するミノタウロスのような化け物で、体は人間、頭は牛、身の丈3メートル。 化け物はインド、アメリカ、ウクライナ、日本など各地に出現するようになり、世界はみるみるパニックに。 銃であっ... -
由野寿和『再愛なる聖槍』- 全体未聞の観覧車ジャック事件に元刑事が立ち向かう
元刑事の仲山は、離婚後5年ぶりに会った娘を連れてテーマパークに行った。 久々に娘と過ごす時間にぎくしゃくしながらも、仲山は一緒に楽しもうと巨大観覧車ドリームアイに乗る。 ところが動き出してすぐに、事件が起こった。 観覧車が何者かにジャックさ... -
歌野晶午『それは令和のことでした、』- 今の時代ならではの落とし穴を描いたブラックなミステリー短編集
太郎は、学校でいじめられてばかりだった。 人とは異なる価値観を持つ母親に、世間とは合わない生き方を強要されていたからだ。 ランドセルは重いからと使わせてもらえず、フリルのついたシャツを着せられ、スカートをはかせられ…。 この母親は、学校に対...