ファンタジー小説おすすめ50選!国内海外の名作・傑作選

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今回おすすめ&ご紹介させていただくのは「絶対に読んでおきたい定番の名作海外ファンタジー小説」です。

世界的にも非常に高い人気を誇り、ファンタジー小説を読みたいなら「とりあえず読んでおいて間違いない!」と言える傑作ばかり。

ぜひ参考にしていただければ嬉しいです(๑•̀ㅂ•́)و

私も海外ファンタジーならではのワクワク感は本当に好きで、まるで子供の頃に戻ってしまったようなあの感覚がたまらないんですよね(●´∪`)

本当に名作ばかりですので、もし読んだことだない作品があればぜひ一度読んでみていただきたいです。

それではどうぞ、ファンタジーの世界へ。

目次

1.『少年と老婆』

田舎に引っ越してきた少年は、近所に住む老婆からあるお話を教えてもらうことになる。

それは「この世でもっとも美しい女性」が旅した5つの国と、そこで出会った6人の王様の物語。

バラバラだった物語は、やがて終わりに向け綺麗に収束していく。

子供向けというより、大人のためのおとぎ話という感じ。途中で出てくる言葉がいちいち深いんです。

また「キャラクターの名前が無い」ってところが斬新で好き。『少年』とか『美しい女性』とか『王』とか、名前で呼ばないんですよ。そこが面白い。

徹夜をしたくなかったのに一気読みさせられてしまい、次の日の仕事に支障が出たのも良い思い出です。

本当に、もっと多くの人に読まれてほしい。

学校に通うのをやめた「少年」は、近くに住む「老婆」に勉強を教わる。「老婆」は、不思議な話をして聞かせた。

2.『空色勾玉』

荻原規子(おぎわらのりこ)さんの名作ファンタジー「勾玉三部作」の一作目。日本のファンタジー小説といえコレ!という方も多いはず。

日本神話をベースにしたファンタジーで、神々の争いの中で織り成す少年と少女の物語です。

かなり長い物語ですが児童文学ということでとても読みやすい。というか、児童文学だからって読まないと損をします。大人が読むからこそ面白いのです。

それほど複雑な話ではないので、知識がなくても楽しめます。

児童書とは言っても言われなければ気づかないレベルで、文庫で500頁を超える大部ですが、中盤からの盛り上がりが凄くて後半は一気読み。

なんと壮大なファンタジー。これがデビュー作だなんて、ちょっと信じられない。

この次は第2部『白鳥異伝 上 (徳間文庫)』、第3部『薄紅天女 上 (徳間文庫)』と続きます。

輝の大御神の双子の御子と、闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれ

ながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、〈剣の主〉稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く…。

3.『RDG レッドデータガール』

続いても荻原規子さん。一巻読んでその後すぐに全巻まとめ買いした思い出のある作品です。

玉倉神社で生まれ育ち、中学三年生まで学校と家の往復だけという閉鎖的な生活を送ってきた泉水子(いずみこ)。

そんな極度の引っ込み思案&人見知りな彼女が、自分の中に眠っていた不思議な力の存在に気がつき始めた時、物語は大きく動き始めていく。

めちゃくちゃ内向的な少女がこれからどんな成長を遂げていくのか。一巻を読んだ時はとにかく泉水子の行く末が気になって仕方がなかった。

で、全巻読んでホントに「読んでよかった」って思った。

ファンタジー作品といえば「異世界」が舞台のものが多いけれど、この作品は「現代の日本」を舞台にしているというところもポイント。

とにかく一巻を読んだら、続きが読みたくて仕方なくなります。寝不足注意。

世界遺産に認定された熊野古道、玉倉山にある玉倉神社。そこに住む泉水子は中学三年まで、麓の中学と家の往復だけの生活を送ってきた。しかし、高校進学は、幼なじみの深行とともに東京の鳳城学園へ入学するよう周囲に決められてしまう。

4.『アルスラーン戦記』

アニメや漫画にもなっているので、タイトルは知っている、という方も多いでしょう。

勝利確実と思われた戦いでしたが味方の裏切りによって王国が崩壊。なんとか危機を逃れた王太子アルスラーンが、様々な仲間とともに王国奪還を目指します。

異世界歴史「ファンタジー」ですが、このアルスラーン戦記にはとても「リアル」を感じました。 本当にあった過去の歴史物語を読んでいるようです。

学生の頃アホみたいにはハマりました。夢中になって読みました。

1巻から7巻が第1部、8巻からが第2部となり全16巻の予定とのこと。

というわけで、まずは王国奪還を目指す第1部(1巻から7巻)だけでも読んでいただきたいです。

第2部も面白いですが、第1部が特別に面白いんです。ホントに。

猛勇なる騎士軍団を誇り、不敗の国王が君臨するパルス王国。蛮族ルシタニアとの戦いでも、その勝利を疑う者はなかった。だが、味方の裏切りから、軍団は一日にして崩壊。王国は滅亡してしまう。

5.『黄金の王 白銀の王』

壮大な大河ドラマのような歴史ファンタジー。派手さはないものの、地味に、確実に引き込まれる魅力のある作品。

何巻も出ていておかしくないほどの壮大な物語を、たった一冊に圧縮してしまったような濃密さです。

長きにわたって争いを続けてきた二つの一族の行く末を描いた、若き二人の王の物語。それぞれが抱く強い「想い」とは。

普段ファンタジーはあまり読まない方なのだけれど、これは話がよくできていて夢中になって読みましたね。

なんというか「物語への引き込み方」というのがとてもお上手なんですよ。ハラハラさせる展開の連続で、一度読み始めたらやめさせてくれないんです。

読むならば、徹夜を覚悟しましょう。

二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王であった―。

6.『瞳の中の大河』

続いても沢村凜さんの作品。

アマヨクという男の生涯を綴った壮大なファンタジー。まさに波乱万丈です。

練りに練られた世界観、手に汗握る展開の連続、テンポのよく進むストーリー。これだけ濃厚な物語を一冊に収めてしまうとは。

はじめは「ちょっと読みにくいかな?」と思うかもしれませんが、気がつけば一気読みさせられてしまうので大丈夫です。

悠久なる大河のほとり、野賊との内戦が続く国。若き軍人が伝説の野賊と出会った時、波乱に満ちた運命が幕を開ける。

7.『誰も知らない小さな国』

ぼくとコロボックルの出会いと冒険の物語。

小学校の頃、図書室に通いまくって夢中になって読んだ本。あまりに懐かしく、再読すると子供に戻ったように夢中になって読んでしまった。しかも新たな発見がたくさんあって。

大人になるにつれて忘れてしまったモノがちゃんと書いてある。多くの子供達に読んでほしい。

子供の頃は、本当にコロボックルがいると思って探したなあ。いや、実は今もいると思ってたり。

こぼしさまの話が伝わる小山は、ぼくのたいせつにしている、ひみつの場所だった。ある夏の日、ぼくはとうとう見た――小川を流れていく赤い運動ぐつの中で、小指ほどしかない小さな人たちが、ぼくに向かって、かわいい手をふっているのを!

8.『精霊の守り人』

国内ファンタジー小説の中でも特に有名で人気のシリーズ。

30歳の女用心棒・バルサが、精霊に宿られた皇子チャグムを守りながら戦っていく物語です。

一度読み始めれば、あまりの読みやすさと面白さですぐハマっちゃうはずです。私自身こんなにハマると思ってなかったですもん。「もっと早く読んでいればよかったー」って思いました。

まさに大人ための児童文学ファンタジー。

児童文学らしい「読みやすい&分かりやすい」物語だけど、ストーリーも世界観もしっかり練られており濃厚。内容が薄いなんてことは断じてありません。児童文学の長所だけを取り入れた感じ。

そういえば、ドラマ版で女用心棒・バルサを女優の綾瀬はるかさんが演じておられました。バルサがあんなに美しかったとは……。

老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。

9.『獣の奏者』

続いても上橋菜穂子さんの作品。

闘蛇村で母と二人で暮らしていた少女エリン。しかし、とある事をきっかけに母と別れ、壮大な冒険に出ることに。

ビックリするほど面白い。面白すぎてビックリする作品ってあんまりないですよ。

一巻だけ買って家で読んでいる途中で、「あ、コレ全巻買わなきゃいけない作品だ」って確信しましたもん。

文字どおりの「一気読み」してしまう読みやすさと面白さを誇ります。なぜ上橋さんはこんなにも魅力的な物語を書けるのでしょうか。

ファンタジーが好きな方は当然として、「ファンタジー小説ってあんまり読まないんだよねー」という方にもぜひ読んでいただきたいです。

「面白いファンタジー小説」とはこういう作品のことを言うのですよ。

正直言って上橋菜穂子さんのファンタジーはどれも面白いから困る。他にも『狐笛のかなた (新潮文庫)』や『鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐』もオススメ。

リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。

10.『十二国記 月の影 影の海』

小野不由美(おのふゆみ)さんのファンタジーといえばコレ。『十二国記シリーズ』です。

どこにでもいる、ごく普通の女子高生・中嶋陽子の前に「ケイキ」と名乗る謎の男が現れ、あれよあれよと異世界へ。

平凡な日常から突如、過酷な運命を背負うことになった陽子。剣を握り、化物に襲われ、戦い、苦しむ。ああ、嘘でしょ、というような展開の連続。

ただ面白い、とかそういうレベルの作品ではありません。数多く存在するファンタジー小説のなかでも最優先で読むべき名作でしょう。

しかしほぼ間違いなく寝不足になりますので、その点は自己責任でお願いいたします。

 「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。

11.『天山の巫女ソニン』

大人が読むからこそ楽しめる児童文学ファンタジー。

生まれてすぐに巫女として育てられた少女ソニン。しかし才能がないと判断され、12歳の時に里へ帰されてしまう。そんな少女の成長と冒険の物語。

さすが児童文学、テンポもいいし分かりやすいし読みやすい。しかも巻を追うごとに面白くなっていく。

主人公が「落ちこぼれの少女」というのも良いですよね。

応援したくなるというか、この先を見守りたくなるというか。

一度読み始めたら絶対全巻読みたくなっちゃいますもん。

長年の修行のかいなく、才能を見限られ天山から里へ帰された、落ちこぼれの巫女ソニン。ある日ソニンは、沙維の王子イウォルが落とした守り袋を拾う。

12.『新世界より』

貴志祐介(きしゆうすけ)さんの名作。

人類が念動力を使えるようになった1000年後の日本。そんな世界に存在する集落で、念動力を訓練する子供達を中心としたサイエンス・ファンタジー。

読み始めてすぐ、ただならぬ雰囲気にグッと引き込まれることでしょう。不気味だ。なんだこのイヤな感じは。大好物だ!

驚くほど丁寧に練られた世界観は見事としか言いようがないし、しかも漫画並みに読みやすいからありがたい。

文庫にして上・中・下の全3巻からなる物語ですが、あっという間に読めます。ぜひ。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

13.『折れた竜骨』

米澤穂信(よねざわほのぶ)さんの名作。

この作品の特徴は「ミステリー」と「ファンタジー」の見事な融合にあります。

ファンタジーの世界で本格ミステリをやるとどんな感じになるの?と最初は疑問に思っていましたが、読んでみるとなるほど。素晴らしい。

「魔術」という特殊な設定がある中でしっかりミステリが成立しているんですよ。

これが見事というわけですわ。ファンタジー小説としてだけでなくミステリ小説としてもおすすめ。

ロンドンから出帆し、北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナは、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。

14.『図書館の魔女』

鍛治の里で暮らしていた少年と、大陸最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女・マツリカ」の出会いの物語。

この作品の世界を彩るのは、剣とか魔法とかドラゴンとか、そういうものではなく「言葉」。そう、「言葉ファンタジー」なのです。

最初はその圧倒的な言葉の数々に抵抗を持つかもしれません。

しかし、読み進めていくうちにその美しい世界の虜になり、気がつけばのめり込むように作品に没頭することになります。

構成や設定がしっかりとなされているため世界観が確立されており、「これからどんなことが起こるのだろう!」とワクワクしながら読み進めることができるんです。

登場人物それぞれの個性やよさが際立っている作品で、読み進めれば読み進めるほど彼らに愛着が湧いてくる。

一度読んだだけでは理解できないのではないか、と思えるほどの壮大な言葉の物語。じっくりと、読みましょう。何度でも。

鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。

15.『ブレイブ・ストーリー』

火車 (新潮文庫)』や『模倣犯1 (新潮文庫)』など、濃厚なミステリを楽しませてくれる宮部みゆきさんはファンタジーだって素晴らしい。

ゲームが好きな小学5年生の男の子は、両親の離婚話をきっかけに幻界(ヴィジョン)へと旅立つことになる。

上巻のほとんどは現実世界でのお話で、少年の置かれた環境が崩壊していく様子が丁寧に描かれています。重いです。

そのため、少年への感情移入がハンパなく、これからの物語の大事な部分でもあるのでしっかりと読みましょう。

さあ中盤近くになってやっと、少年は運命を変えるため異世界へと向かいます。

ここから一気に冒険ファンタジー。「これが読みたかった!」と思わせてくれるRPGのような世界観で、もうページをめくる手は止まりません。

決して子供向けではない、王道ファンタジーの名作です。

小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。

16.『キップをなくして』

少年の小さな冒険物語であり、成長物語。夏休みに読むのにぴったりって感じの作品です。

キップをなくしてしまうと改札から出られなくなり「駅の子」として駅の中で働くことになる、というちょっと怖い設定。だけど、実は感動系ほのぼのファンタジー。

最初の方はこの「駅の子」たちは最後どうなるの?おうちに帰れるの?とドキドキしながら読んでいましたが、途中からそんな忘れてただただ感動に浸っていた。

子供達の成長記であり、冒険物語でもあり。そして「死」とは、「命」というものが何なのか気がつかせてくれる作品なのです。

設定に関する説明はほとんどされないまま、謎だらけのまま終わる。けれど、しっかりとひとつの物語が終わった読後感があります。

大人が読むからこそハッと気がつくことがある。そんな忘れてしまった大切なモノが、この作品にはたくさん詰まっているんだ。

改札から出ようとして気が付いた。ないない、キップがない!「キップをなくしたら駅から出られないんだよ」。どうしよう、もう帰れないのかな。

17.『旅のラゴス』

筒井康隆さんの傑作。SFであり、ファンタジーであり、純文学のようであり。

集団転移や壁抜けなど、超能力がある異世界で旅をするラゴスを描いた作品。

文庫にして230ページくらいの薄さ、特に派手な展開も驚きもあるわけではない。淡々と物語は進んでいく。

ただ旅。ひたすらに旅。だからこそ面白い。

奴隷になったり王様になったりと、奇想天外なストーリーだけど、とても読みやすくて世界観に引き込まれます。

この作品を読んだ多くの方が言っているように、まるで自分がラゴスになって長い旅を終えてきたような読後感に陥るのです。

さあ、あなたも不思議な旅へ出発しましょう。

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。

18.『スレイヤーズ』

ライトノベルに抵抗がある方も、騙されたと思ってまずは一巻だけでも読んでみてください。

天才美少女魔道士・リナを主人公とした、本当に「超面白いファンタジー小説」です。ライトノベル界では伝説になっているほど。

剣と魔法のファンタジーと言ってしまうことは簡単で、評判通り世界観にこれといった派手な独自性はないのですが、それでもさりげなく作り込まれた細部描写とキャラの強烈さで引っ張ってゆく。

漫画なみにサクサク読めるし、リナのキャラクターも良いし、ギャグも程よくあって楽しく読めます。

結構練られた設定のファンタジーでありながら、とことんユルい話の展開とか、王道からちょっと外してるところとか、シリアスでもギャグをぶっ込んでくるところとか、面白いところ盛り沢山。

当時夢中になって読んでいたのを思い出し、新装版が出た時に全巻買い直して、また夢中になって読んだ。何度でも読める面白さ。

数々の魔法を使いこなす天才魔道士にして戦士、おまけに可愛い!?少女リナ=インバース。放浪の旅を続けるリナは今日も趣味と実益を兼ねた盗賊いぢめに精を出していた。

19.『ロードス島戦記』

これもまた学生の頃に夢中になって読んだ王道ファンタジー。

王道ファンタジーといっても、先の読める展開ではなくテンポよく進むため、ページをめくる手が止まらない。

古き良きRPGの世界に入り込んだような感覚で読み終えることができます。

また登場人物のキャラ立ちがはっきりとしており、どのキャラも愛される要素を秘めている。

加筆修正された新装版が出たということで改めて読みましたが、名作は色褪せないですね。学生の頃に戻ったように一気に読んでしまいました。

学生の頃読んだ時はその世界に興奮していましたが、今読んでもやっぱり面白いですね!

人間以外の種族や生き物、魔法などファンタジー好きな方にはぜひ読んでいただきたいです。

騎士を目指す主人公・パーンが、これまた魅力的な仲間たちと織り成す冒険モノ。

そして何より「読みやすい」のがありがたい。単純に「読みやすくて王道のファンタジーが読みたい」という方におすすめ。

“呪われた島ロードス”。魔神との戦いから30年、平和を取り戻し、その傷が癒えつつあるこの島に再び戦火の兆しが。ロードスの未来を憂い、武者修行の旅に出たパーンは、エルフのディードリット、魔術師スレインら仲間と共に試練に立ち向かっていく。

20.『ミミズクと夜の王』

死を願う人間の少女・ミミズクは魔物に食べられることを望み、魔物の森へとやってくる。そこで出会ったのは人間嫌いの夜の夜の王(フクロウ)だった。

人間に悲惨に扱われた人間の少女ミミズク。その少女が夜の王フクロウに会って初めて、人間らしい感情を知る。

人間の少女と魔物が次第に心を通わせていき……という絶対感動するタイプのお話。涙腺が刺激される。

ファンタジーのようで、おとぎ話のようで、童話のようで。いや、これは愛の物語なのです。

最初は図書館で借りて、読み終わったらすぐに新品を購入したほどの特別な作品。有川浩さんの解説も素晴らし。

魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。

21.『サブリエル』

死霊使い(ネクロマンサー)の少女・ザブリエルが、7つのベルを操り死霊と戦いながら旅をしていくダークファンタジー。

こんなに面白いのに知名度があまり高くないのが不思議でしょうがない!

アブホーセンという善のネクロマンサーを父に持つ少女サブリエルの話。

まだまだ未熟だけれどそこをきちんと理解していて難題をクリアしていく姿が健気で可愛くてカッコいい!

作品に漂う薄暗い雰囲気が独特の世界観を醸し出していてすごく好み。爽やかさはありませんが、その分どっぷりとダークな世界に浸れます。

正直序盤は少し地味だったけど、世界観をつかみ始めれば面白い面白い。グイグイ読まされます。

しんみりとした夜、時間がたっぷりある状態でじっくりと読みたいタイプの作品です(●´I`)ノ

古王国―アンセルスティエールの人間にとっては、その名を聞くだけで恐ろしいところ。そこでは、魔術がさかえ、死霊が徘徊し、冥界への扉が常に開かれている。古王国との『壁』に好んで近づく者はいない。

22.『毒見師イレーナ』

日本で発売されたのは2015年と、今回ご紹介させていただく作品の中でもかなり新しい作品。

死刑を免れ、国の最高司令官の毒見役として生きる事になったイレーナの物語です。

なにがすごいって翻訳物とは思えないほどに読みやすい。

海外小説が苦手という方もこの作品ならすんなり読めるはずです。翻訳物が苦手な友人も「これは読める!」って言ってましたから。

それに加えストーリーもテンポよく、想像以上に面白いもんだからどんどん物語に引き込まれていきます。

途中でやめることができなく徹夜して読みました。久々に面白い海外ファンタジーに出会えた!と感動した作品です。

ある殺人を犯した罪で死刑囚となった少女イレーナ。ついに絞首台へと送られる日を迎えるも、そこで思わぬ選択肢を与えられる――今すぐ絞首刑か、それとも、国の最高司令官の毒見役になるか。

23.『九年目の魔法』

正直に言うと読みにくいほうだし、内容もしっかり読まないとわかりにくいと思います。初めて読んだ時は何時間もかかりました。

それでもなぜか何回も読んでしまう不思議な魅力のある作品。

しかも一回ではわかりにくい分、読むたびに新しい発見があってどんどん面白くなっていくんです。

もうかれこれ5回以上は読んでいますが、その度に面白いんです。

一つの作品をじっくり深く読み込みたい人にピッタリですね( ・∀・)

なにか、おかしい。壁にかかった懐かしいこの写真も、愛読していたベッドの上のこの本も、覚えてるのとは違ってる。まるで、記憶が二重になってるみたい。

24.『ダレン・シャン』

子供のころ、弟が読んでいたのでちょっと借りて読んでみたら弟よりハマってしまった思い入れのある作品。

友人の命と引き換えにヴァンパイアになってしまった少年の物語です。

児童書なのにこのダークさ、ドキドキ、興奮。

児童書にしてはけっこう残酷でグロテスクな描写だったり、親友に殺されそうになったり、意外とグイッとくるなぁと思ったけれど、どこかやっぱり楽しい。

「あんなに面白かったのは私が子供だっからなのか」、と思って大人になってからも読んでみたけどやっぱり面白い。子供の頃には気がつけなかった発見がたくさんあって驚きました。

児童書なので簡潔な文章ながらフリーク等の様子が目に映る様に分かりやすく、ダレンの苦しみを真に迫るものがあります。

大人になって読むとダレンの蜘蛛を盗むという行為を全力で引き留めたくなるし、親達の悲しみを思うとやるせないです。なんだか子供の時より感情移入したかもしれません。

ふとしたことから手に入れた『奇怪なサーカス』のチケット。主人公のダレン少年を待ち受ける不思議な運命とは…。

25.『闇の公子』

妖魔の王アズュラーンが人間の運命を翻弄していく大人向けダークファンタジー。

アラビアンナイトを彷彿とさせる古めかしくも美しく残酷な物語です。

剣と魔法で「ううぉおおお!」という感じではなく、しんみりしっとりとした雰囲気に酔いしれる感じ。

幻想的で退廃的な世界観が美しすぎてクラクラしてきます。

しかも訳の文章がまた素晴らしい!世界観とバッチリ合っていて、ついウットリしてしまいます。

ほんと、何からなにまで美しい。

まだ世界が平らだったころ、地底では妖魔の都が栄えていた。その都を統べる妖魔の王、絶大な魔力と美貌を誇るアズュラーン公子は人界に遊び、無垢なものたちを誘惑して愉しんでいた。

26.『バーティミアス』

簡単に言うと、新米魔術師がベテラン妖霊を召喚しちゃって一緒に冒険する物語。いかにも王道!って感じ。

妖霊バーティミアスのキャラが非常によく、主人公との掛け合いが実に楽しい。ストーリー展開もドキドキとワクワクの連続で一気に読めます。

バーティミアスの意地悪な目線と皮肉な口調は小気味よく長い物語を飽きさせず、性格悪いくせに全然嫌な奴じゃないってのもいい。

よく「ハリーポッター」と比べられるのですが、こちらはまた違う雰囲気で全く別の楽しさがあります。

魔術師と妖霊の喰うか喰われるかの際どい関係性が刺激的であり、一応児童書という括りでありながら正義より名声というナサニエルの考え方も斬新ですね。

大人気!名作!などと言われるのも納得。言うことなしの面白さです。

プラハの時代は去り、いまや魔術の中心はロンドン。魔術師たちは、政府の重要なポストを占め、帝国を牛耳っている。魔術師は貧しい家の子どもを弟子にして、悪魔を思いのままにあやつる技を、歳月をかけて叩きこむ。

27.『サークル・オブ・マジック』

騎士見習いだった主人公が魔法使いに憧れて魔法学校に入って冒険する物語。

「魔法使い」「魔法学校」といえばどうしても『ハリーポッター』が思い浮かびますが、こちらの作品も同じレベルで面白い。なぜこんなに知名度に差があるのか!

海外ファンタジー小説の中でも読みやすい方ですし、試しに一巻読んだらもう止まりませんよ。

軽やかな語りとテンポの良い展開とが相まってグイグイ読めるけど、決して内容が軽いわけではないです。

クライマックスでは、残る僅かなページ数でどうやって結末に至るのかと気を揉み、大いに翻弄されました。

ハリーポッターが好みな方は取りあえず読んでみましょう。『ハリーポッター』『ダレンシャン』の原点とも言われる作品をご覧あれ!

騎士見習いのランドルは12歳の少年。ある日、城にやってきた魔法使いに魅せられて魔法の学校「スコラ・ソーサリエ」に入学する。彼が学んだ「サークル・オブ・マジック」とは?

28.『エラゴン』

これぞ海外ファンタジー!って感じ。私のイメージするファンタジーってコレ。

ドラゴン!ドワーフ!エルフ!魔法!冒険!ファンタジーの王道がこんなに揃って面白くないわけがない。

読みやすさは抜群。また続編も出ており、2巻3巻と進むにつれて成長していく主人公の描写も良いですね。

ページ数は多いですが、児童書だし分かりやすく、読みやすいです。どんどん成長するエラゴンを追いかけて、ページをめくる手が止まりません。

ストーリー展開も王道でありながら、濃厚でずっしりとした読み応え。王道ファンタジーが読みたい方は必須です(>ω<*)

竜と心を交わした者だけが、“ドラゴンライダー”になることができる。少年にとって、それは伝説のなかの話だった。森で青く輝く石を見つけるまでは―。

29.『ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり』

映画化もされた海外ファンタジー定番の一つ。

家にあった洋服ダンスに入ったら、魔法の国ナルニアとつながっていて冒険が始まって魔女と戦って、、という王道のワクワクストーリー。

洋服ダンスが異世界への入り口という設定だけで胸が高鳴ります。

少年と少女が、現実世界とは成り立ちも常識も異なる世界で冒険をするということが、こんなにも胸を熱くするのだということを、とても懐かしく思い出しました。

そして「ナルニア国ものがたり」が全体を通してひとつの世界の歴史のようになっているということにも、とてもワクワクさせられますね。

この作品を初めて読んだ頃、タンスを開けるたびに異世界へ繋がるのではないかとドキドキしたものです。

そして今でもたまに思ったりしちゃうんですよね。部屋のクローゼットを開けたら、もしかしてナルニアに行けるんじゃないかって。

ペベンシー家の4人のきょうだいは、ロンドンの戦火をのがれて、いなかに疎開することになりました。末っ子のルーシーは、広いお屋敷の空き部屋で、古めかしい衣装だんすをみつけます。

みえない力に導かれるように、毛皮のコートをかきわけて進むと、そこは雪と氷におおわれた国、ナルニアでした。

30.『指輪物語』

今作を読まずして海外ファンタジーは語れないでしょう!

映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作であり、名作の中の名作。闇の力を秘めた指輪をめぐる冒険ファンタジーです。

序盤は映画と違って旅に出るまでが長くちょっと読みにくいですが、本編に入ると児童書みたいに読みやすくなっているのでご安心を。

映画を観た後に読むとより鮮明にイメージできるので、先に映画を見ておくのがおすすめ。

映画も大変素晴らしいですが、小説のほうがより奥深く描かれており、登場人物一人一人にドラマがあって1シーン1シーンにワクワクがあります。

まだ読んだことがない方はまずこれを。何を読もうか迷ったらとりあえずこれを。と言いたいのですが、実は今作を読む前に『ホビットの冒険』を読んだ方が『指輪物語』を何倍も楽しめるんです。

恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの、果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。

31.『ホビットの冒険』

ファンタジーの教科書。名作『指輪物語』の前の物語です。

ホビットのビルボが、魔法使いガンダルフと13人のドワーフにより、ドラゴンのすむ山への冒険に連行される話。

途中まではいまいち話の進みが遅いけど、闇の森に踏み込んだあたりから、もうジェットコースターのグイグイ読まされます。

子供の頃に戻ったかのようなワクワク感たっぷりで読み進められのはやっぱり楽しいですねえ。

『指輪物語』をまだ読んでいないなら、まずは『ホビットの冒険』を読みましょう。

もちろん『指輪物語』を読んだ後でも問題なく面白く、時系列が逆になることでまた違った楽しみ方が出来ますのでご安心を。

物語の序盤、まさに「冒険の始まり!!」って感じがすごく好きでそこだけ何回も読んでしまう(´∀`)

ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフ小人に誘いだされて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。

32.『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』

『ハリーポッター』にギリシャ神話を足してアメリカ仕立てにした感じのファンタジー。

12歳の少年パーシーはある日、神と人間のハーフであることを知らされ驚愕しながらも冒険に出るという非常にファンタジーらしい物語です。

児童文学と侮ることなかれ、ストーリーが抜群に面白い。そしてストーリーを読み進めていくうちに、自然とギリシア神話の知識が身につくのです。

この作品に影響されて、一時期ギリシャ神話関係の本を読み漁ったのを覚えています。

このギリシャ神話要素だけでもワクワクしますし、さらにはミステリー要素まであってより楽しめる物語となっています(*>∀<)

オリンポスの神ゼウスとポセイドンの戦争をとめるため、仲間のアナベスとグローバーとともに、旅に出ることになったパーシーに、予言の神が下した神託は4つ。

33.『ウォーターシップダウンのうさぎたち』

知る人ぞ知る名作です。

自分たちのいる村の危機を直感したウサギのファイバーと、ファイバーの言葉を信じたウサギたちが新天地を目指す冒険物語。

理想の地を求めるために、困難に立ち向かいながら旅をするうさぎたちの姿にハラハラ、ドキドキ。こんなにウサギの目線で描かれている小説は他にないでしょう。

主人公がウサギたちってだけでほのぼのしますが、実は結構ハードなストーリーで緊張感漂う場面も。

それぞれのウサギのキャラクターも非常によく、個性と役割がしっかり描かれているので愛着の沸き方が半端ないです。

ちなみに、スティーブンキングの名作『ザ・スタンド』の中にこの作品が登場。それをきっかけにこの作品を読んで大好きになりました。

「すごく恐ろしいことだ!近づいてくる。ぐんぐんやって来る」。予知能力のあるファイバーの言葉を信じて、十一匹のウサギが旅に出た。いったいどこに平和な土地があるのか!?

34.『妖女サイベルの呼び声』

冒険だ!剣と魔法だ!ドラゴンだ!戦いだ!というファンタジーではありません。

しっとりと深く、静かで美しい物語なのです。

山奥に暮らし特殊な能力を持つ妖女サイベルが、とあるきっかけで人間と交流を持ったことで成長しつつ、葛藤していく。

念密に練られた幻想的世界観、細部まで描かれた人間描写、情景描写にうっとり。

ファンタジーなのだけどあくまでもメインは内面のドラマであって、葛藤のひとつひとつが主人公サイベルの歩みとなって物語を進めていく。

物語の美しさはもちろんのこと、日本語の美しさに魅了されてしまう。翻訳物なのですが、初めから日本語で書かれた物語よりも美しい日本語なのではないか?と思わせてくれる魅力があります。

本当に優れた物語って半世紀を経ても変わらず瑞々しくて、魅力的なものなんですねえ。

35.『タイタス・グローン―ゴーメンガースト三部作』

不気味な巨大な迷宮ゴーメンガースト城を舞台に繰り広げられる物語。

重厚で濃密な描写が奔流の如く押し寄せ、圧倒的な世界観に飲み込まれてしまうでしょう。

ただの広大な城ではなく、もはや世界であるゴーメンガースト城。 この朽ちかけた城が何しろ魅力的で、幻想文学の真髄を感じさせます。

陰鬱で重厚な圧倒的世界観に最初はなかなか入り込みにくいかもしれません。一気に読もうと思ってもなかなかページが進みません。それだけ濃厚なのです。

しかし読んでいるうちにグングン面白くなっていって、気がつけばこの世界の虜になっていることでしょう。

閉鎖空間という舞台が余計に重苦しさを加速させます。ダークで濃厚な読み応えのあるファンタジーを読みたい方はぜひ。

いつとは知れぬ時の、いずことも知れぬ地にその城はあった。巨大な石の迷宮ゴーメンガースト。そして今、七十七代城主が呱々の産声を上げた。

36.『アルテミス・ファウル』

犯罪一族に生まれた天才少年・アルテミスがコンピューターを使って「妖精の書」を解読し巨万の富を得ようと試みる。

それを阻止するため、ハイテク武装妖精集団が立ち上がり少年と戦いを始める。

アルテミスが単なる人間の男の子ではなく、犯罪一家に生まれたと言う点が新鮮で面白いポイント。

私の知ってる妖精と違う!って言いたくなるくらいハイテクで凄い妖精たちにもびっくり。

12歳の天才少年とハイテク妖精たちのやりとりや頭脳戦がなんとも楽しい作品です。

ストーリーも当然面白いのですが、なにより妖精文字の解読がメチャクチャ面白い!ぜひこの暗号に挑戦してみていただきたいです。

アルテミス・ファウルは、伝説的な犯罪一家に育った12歳の天才少年。コンピュータを駆使して「妖精の書」を解読したアルテミスは、妖精が隠し持つという黄金を手に入れようともくろむ。

37.『デルトラ・クエスト』

国を守っている7つの宝石が影の大王に奪われ、それを取り戻すために少年が冒険に出るという王道ストーリー。

男の子が大好きそうなザ・冒険ファンタジーです。超王道のロールプレイングゲームみたいな。

子供の頃とんでもないくらいハマったのを覚えています。

王道ファンタジーものですが、設定としてはダークなものが多く、この後どうなるんだろうというワクワク感が胸の中を支配します。

作品自体はページ数が少なく、文字が大きいのでかなり読みやすい部類でしょう。

大人になってからも読んでみましたけど、結局王道って面白いですよね。

あの頃に戻ったような、このワクワク感はたまりません。児童書と言えども、大人が読んでも楽しめます。

ここはデルトラ王国。王家に伝わる7つの宝石が、国を守っている。その宝石が、影の大王にうばわれた!デルトラを救うため1枚の地図をたよりに、少年が冒険の旅に出る…。

38.『ローワンと魔法の地図』

『デルトラ・クエスト』同じ著者・エミリーロッダさんによるローワンシリーズ。

急激に減ってしまった村の水を取り戻すため、弱気な主人公ローワンが勇敢な仲間と共に竜の住む山へ向かう、という物語。

大人になってから読むと、また違った発見と学びがあります。忘れていた大切なものを思い出しますね。

数々の壁にぶつかって何度も諦めそうになるが、ローワンは最後まで諦めない。 その勇気には現代に生きる人にも感じるものがあるのではないかと思います。

児童文学というだけあって、シンプルで分かりやすいストーリーですので気軽に読めるのがありがたい。小学生も大人も楽しめる良質ファンタジー。

どんなちっぽけな自分でも、何かしら出来ることはあるのだ、と思わせてくれます。

強い主人公が魔法で無双!というのではなく、弱い主人公が知恵と勇気を振り絞って成長していく冒険物語というのが実に良い。

39.『影との戦い―ゲド戦記』

日本海外問わず、ファンタジー小説に興味があるなら必読のシリーズ。

魔法使いのゲドはその優秀さゆえに魔法で〈影〉を生み出してしまい戦うことになります。

影は不気味な存在で、ゲドの命を脅かすようになる。彼は影から逃げようとするのだが、ある時に自分の影と正面から闘うことを決意する。

とにかく「深さ」が尋常ではなく、おそらく子供の頃に読んだとしてもこの「深さ」には気づかないのではないでしょうか。

小中学生が読んでも楽しめるファンタジー小説ではありますが、大人になってから読むとかなり違うもののように見て取れます。

失敗や栄光、学びや様々な人々との出会いがゲドを成長させたのでしょう。 孤独で苦しい旅を乗り越えていく様は、まるで私も共に旅をしているような気分になりました。

大人だからこそ読んでほしい名作ファンタジーです。

著:アーシュラ・K. ル=グウィン, イラスト:ルース・ロビンス, 原名:Ursula K. Le Guin, 翻訳:清水 真砂子

アースシーのゴント島に生まれた少年ゲドは、自分に並はずれた力がそなわっているのを知り、真の魔法を学ぶためロークの学院に入る。進歩は早かった。得意になったゲドは、禁じられた魔法で、自らの“影”を呼び出してしまう。

40.『トムは真夜中の庭で』

「時」をテーマとした古典的名作です。

夏休み、弟の麻疹によって叔母さんのアパートに預けられてしまったトム。

せっかくの夏休みが台無しだ!と寝付けないでいたある夜、アパートの裏口を開けるとそこには昼間にはなかった「庭園」が広がっていた。

そこで出会うは不思議な少女・ハティ。彼女は一体何者なのか?

これはファンタジー児童文学に見せかけた、少し大人向けの哲学的な小説なのだと思います。

子供には子供なりの読み方があり、年齢と読書経験をそれなりに重ねた大人には、大人なりの読み方ができる物語なのでしょう。

ワクワクして切なくて、本当にいろいろな事を学べる、深い深いファンタジー。

友だちもなく退屈しきっていたトムは、真夜中に古時計が13も時を打つのを聞き、昼間はなかったはずの庭園に誘いだされて、ヴィクトリア朝時代の不思議な少女と友だちになり…。

41.『床下の小人たち』

スタジオジブリのアニメ映画『借りぐらしのアリエッティ』の原作。アリエッテイを見た方はぜひ原作も読むことをおすすめします。

人間の家に小人が住んでいて、人間に見つからないように物を借りて暮らしている世界の物語。

唯一の掟は人間に見られてはいけない事。しかしある日、その家に滞在していた男の子に姿を見られてしまい……。

小人の視点から語られる人間の生活様式の情景が面白い一作です。

ちょいと古めかしい言葉遣いが作品の世界観にぴったり。

舞台はほぼ古びた屋敷の中だけで終始しますが、十二分にハラハラさせてくれる面白さがあります。

イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべて、こっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます―カーネギー賞を受賞した「小人シリーズ」の第1作。

42.『オオカミ族の少年』

悪霊に取り憑かれたクマに父を殺された少年が、父との約束を果たすためクマをやっつけに旅に出る物語。

大人向けファンタジーのようで実は児童向けなのでとても読みやすい。

シンプルで誰にでも楽しめるようなストーリーでありながら、約6000年前という舞台がとても新鮮でワクワクです。

小さな子供が困難に出会うのは読むのが辛いですが、それ以上に面白い。

内容も翻訳もとても素晴らしく、文字で読んでいるのに、頭の中に生き生きと映像が浮かび、匂いや温度、痛みまで感じるかのようになる。

重厚そうな物語ですけど、気になる謎や伏線もたくさんあってグイグイ読まされちゃうし。

少年だけではなく、たまに描かれる狼の視点がすごく面白いんですよね〜。

「おまえに誓ってほしいことがある」父さんが言った。「山を見つけるんだ。“天地万物の精霊”が宿る山だ。…そこにしか望みはない」―紀元前4000年の森―巨大なクマの姿をした悪霊に襲われた父との誓いを守り、“精霊の山”をさがす旅に出たトラク。

43.『はてしない物語』

冒険ファンタジーといえばこの作品!という方も多いはず。

ある太った少年バスチアンがある本屋で『はてしない物語』という本を見つけ、文字通りのめり込んでしまい様々な出会いや経験を経て成長する物語。

古本屋から盗み出した本の物語の中に入り込んでしまう、という超あこがれる設定!

私にもこんなことが起こるのではないかと、子供の頃ドキドキしてました。

ファンタジー小説に興味があるなら読んでおいてまず間違い無いでしょう。

現実と物語の融合。もしかしたら本当にありえるんではないかと思える溶け込みやすさ。

ファンタジー要素だけでなく、人の良いところや悪いところ、友情や自己肯定感といった人間の心理を捉えていて、大人にも響く内容になっています。

読んでいて本当に自分が物語の中に入ってしまったような感覚は、今読んでも変わりません。本当に大切な一冊です。

バスチアンはあかがね色の本を読んでいた-ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前.その国を救うには,人間界から子どもを連れてくるほかない.その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年-ぼくのことだ!

44.『モモ』

『はてしない物語』と同じ著者ミヒャエル・エンデによるファンタジー。こちらもまた名作。

「時間泥棒」こと灰色の男たちは人間の時間を盗んで生きている。

人々は自分の時間を奪われ忙しさに追われる中、唯一影響を受けなかったモモは時間を奪われた人々を救うため立ち上がる。

まさに大人が読んでも面白い児童書。というか大人になって読むと、子供の頃にはわからなかったその深さに改めて感動を覚えます。

よい暮らしのために必死で時間を倹約し、追いたてられるようにせかせかと生きた結果、心豊かなゆとりのある人間らしい生活を失ってしまう。

合理的に進めるだけでなく、人間が人間らしく生きることを可能にする時間を大切にし、心に余裕を持ちたいと思えました。

私もいつの間にか、灰色の男に大切な時間を盗まれていたようです。

時間に追われ,落ち着きを失って,人間本来の生き方を忘れてしまった現代の人々.人間たちから時間を奪っているのは,実は時間どろぼうの一味のしわざなのだ…

45.『カメレオンの呪文-魔法の国ザンス』

存在する誰もが魔法を使える、もしくは魔法的生物である魔法の国ザンス。

しかし成人になるまでに魔法を使えなかったビンクは、魔法の国ザンスから追放されてしまう。

ビンクは自分の魔法がなんなのかをつきとめる為、なんでもひとつだけ質問に答えてくれる良き魔法使いハンフリーのもとへ旅に出る。

なんと20巻以上も続くこのシリーズ。そんなに続くのは結局面白いからなのです!

20巻以上と聞くと途中で断念しそうなのに、1巻読み終わるとすぐに次の巻が読みたくなってしまう見事なストーリー。

言うまでもなく傑作です。

46.『騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族>』

ファンタジー好きに大人気のシリーズ〈ファーシーアの一族〉。

不思議な力を持つ王子の庶子の少年フィッツが、暗殺者となるための教育を受けながら成長していく物語です。

フィッツが過酷な人生にどう立ち向かっていくのか、読み進めずにいられない。

出てくるキャラが誰も彼も魅力的で、色々と背負っていたり気負っていたり、色々な思いを抱えているのがじわりと滲んでくる。

あまり明るい楽しい感じではないのですが、その暗くて重厚な雰囲気にどんどん引き込まれていきます。

堅実な話運びで、訳も読みやすいのでさらさら読めてしまうのも嬉しいポイント。

過酷な状況に置かれた少年が大人たちに見守られながら成長していく、という物語は面白いに決まっているのですよ。

“技”とよばれる力を持った遠視者一族が治める六公国。そこに、継ぎの王の私生児として生まれた男の子がいた。庶子と名付けられたその子は、王の命で密かに暗殺者としての教育を受ける。

47.『予言の守護者』

全5巻からなる傑作シリーズ「ベルガリアード物語」の第一弾。

平和な農園で暮らす少年が予言によっていきなり世界の運命をかけた冒険に出る、という王道展開。

キャラが立っているし、細かく丁寧な描写にリアリティーを感じてどんどん物語に引き込まれてしまう魅力があります。

「正統派ファンタジー」と呼ぶにふさわしい物語で、ファンタジー小説好きなら誰が読んでも面白いと思えるのではないかな。

練りに練られた世界観、キャラの立った登場人物、ワクワクが止まらないストーリー展開。文句なしの名作です。

太古の昔、莫大な力を秘めた宝石“珠”をめぐって神々が熾烈な戦いを繰り広げた。争いの末に魔術師ベルガラスが邪神トラクを倒し、その復活の日まで争いにひとまず終止符を打ったのだった…老人ウルフの語る神話は、平和な農園で暮らす少年ガリオンの一番の楽しみだった。

48.『黄金の羅針盤』

映画も面白かったですが、個人的にはやはり小説の方が好み。

おてんば娘・ライラの周りで子供失踪事件が多発。なんと子供たちは、北の地で何かの実験に使われているとのこと

おてんば盛りのライラが不思議な羅針盤を手に入れ、さらわれた友人を助けるために様々な人間と出会い冒険をする物語です。

序盤はややゆっくり進むので、焦らずじっくり読みましょう。徐々に加速していき後半からは目を離せません。

「ダイモン(守護精霊)」など独特な世界観の構築はお見事で、読んでから何年も経っていますが強く印象に残っています。

ワクワクするような冒険の場面、1人に1匹いる「ダイモン」という動物をかたどった精霊など、ファンタジー好きなら誰しも心踊る設定が満載となっています。

私もダイモンが欲しい(*≧д≦)

両親を事故で亡くしたライラは、お転婆な11歳の女の子。そんな彼女のまわりで子供が連れ去られる事件が起きる。どうやら北極で子供たちが何らかの実験に使われているらしい。

49.『ネシャン・サーガ』

知名度の高い傑作です。単純におすすめです。

現世に住む車椅子の少年ジョナサンと、ネシャンという特殊な世界で旅をすることになった少年ヨナタン。

別々の世界で生きる少年たちの運命が混じり合う。

海に森に洞窟に、様々な舞台で繰り広げられる冒険譚。神の名のもとで伝説の杖を使者に送り届けるお話だけれど、教訓らしい記述もたくさんあり面白いです。

児童向けなのかもしれないけれど、こういう海外のファンタジーはやっぱり好きですね。日本のもいいけど、やっぱり海外のはよりどっぷり浸れる感じがします。

子供心をくすぐられまくりのストーリーに世界観。一巻一巻の物語が濃い。だけどスルスル読めちゃう。ファンタジー好きなら読んでおいて間違いないでしょう。

まずは一巻だけでも(ΦωΦ)

ネシャン北域の森で、少年は謎めいた杖を発見する。青い光を発する杖を握ると、五感はとぎすまされ、記憶や感情を伝える力まで強まるようだ。これは涙の地ネシャンを解き放つ伝説の杖ハシェベトなのか?

50.『盗まれた記憶の博物館』

『ネシャン・サーガ』と同じ著者のラルフ・イーザウさんによる作品。

父の失踪。消えていく記憶。古代の謎。歴史好きな人にはピッタリ、そうじゃない人もきっと歴史に興味が湧いちゃう歴史ファンタジー。

いわゆる大人も充分楽しめる児童書です。ただの冒険ファンタジーとして読んでも楽しいですが、歴史の知識が深いとなお楽しい。

古代の世界史、聖書に出てくる歴史や神々などを絡めたミステリー仕立てになっているのが面白く、興味を引かれます。

上巻で出てきた謎がどんどん解決されていって、下巻で爽快な結末を迎える事になる。

上巻もおもしろいけれど、下巻はもっとおもしろい!読み進めるほどに、上巻では謎だった部分が解き明かされていく、その工程がたまらないほど好き。

児童書とのことなのですが、読み応えがすごくて結構大人向けな感じがします(ㆁᴗㆁ✿)

父さんが、弟が、次々と消えていく。だれかが私の記憶を消そうとしている…。ふたごの天才コンビが古代から現代まで、時空を超えて謎に挑む壮大な歴史ロマンファンタジー。

おわりに

最後までご覧いただきありがとうございました。

ここで紹介させていただいた作品は、私が読んで本当に面白いと思った大好きな作品ばかりです。

定番のものや名作と言われている知名度の高いものが多いですが、参考にしていただければ嬉しいです。

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。
ミステリー小説が大好きです。

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