傑作小説エッセイ– category –
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傑作小説エッセイ
【祝!本屋大賞受賞】なぜ、朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』は、この時代のど真ん中を射抜けたのか
朝井リョウは、ずっと現代の居心地の悪さを書くのがうまい作家さんだと思っている。 しかも、単に流行を取り上げるのではなく、その流行の奥にある、人がどうやって生き延びているのか、どこで苦しくなっているのかまで掘ってくる。 だから読んでいて楽し... -
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『爬虫類館の殺人【新訳版】』- ジョン・ディクスン・カーが目張りの密室で本気を出すとこうなる【読書エッセイ】
ジョン・ディクスン・カーを読んでいると、たまに笑ってしまうことがある。 別に変な意味ではない。むしろ逆で、そこまで本気で不可能犯罪をやるのか、と妙にうれしくなってしまうのである。 密室だの消失だの、黄金時代ミステリにはいろいろな名物がある... -
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なぜ『ユダの窓』は、数ある密室ミステリの中でも特別なのか?【傑作小説エッセイ】
ジョン・ディクスン・カーを読んでいてまず思うのは、この作家は「不可能犯罪」というものに取り憑かれていたのだろう、ということである。 トリックを考えるのが好き、密室をひねくり回すのが好き、不可能犯罪という言葉の響きそのものを愛している。しか... -
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『サキ短編集』が教える世界が裏返る音 – 世界で一番甘美な毒殺講義へようこそ
イギリス文学には、上品な顔をしてとんでもない毒を吐く作家がいる。 その代表格がサキ、ことヘクター・ヒュー・マンローだ。 初めてサキを読んだとき、こんなに上品なのにこんなに意地悪でいいのか、と思った。文章は洗練されていて、会話は軽やかで、舞... -
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折原一『異人たちの館』- この館は建物ではなく、文章でできている。
叙述トリックという言葉に、私は何度騙され、何度酔わされてきただろうか。 1980年代後半から90年代にかけての新本格ムーブメントは、論理の純度をひたすら高め、読者の盲点を突くというゲームを洗練させていった。 その流れの中で、クリスティ『アクロイ... -
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『猫間地獄のわらべ歌』- 探偵が密室を捏造するとき、愛すべきバカミスは時代を越える【エッセイ】
ミステリ好きというのは、つくづく困った生き物だと思う。 安定した面白さを求めながら、心のどこかでは「まだ見ぬ奇書」や「ルールを破壊する劇薬」を待ち望んでいるのだから。 幡大介の『猫間地獄のわらべ歌』は、まさにそんな私たちの飢えを、これ以上... -
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江戸川乱歩『赤い部屋』- 探偵も密室トリックもない、完全犯罪の話【傑作小説エッセイ】
江戸川乱歩が1925年に『新青年』に発表した短編『赤い部屋』は、いわゆる謎解きのミステリではない。 明智小五郎もいなければ、犯人探しもない。あるのは、「赤」という色彩に閉ざされた奇妙な部屋と、そこで語られる不気味な独白だけだ。 舞台は、ある秘... -
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『オランダ靴の秘密』- 純粋論理型ミステリの最高峰。一足の靴から始まるエラリー・クイーンの設計美【傑作小説エッセイ】
エラリー・クイーンについて語るとき、やっぱり初期の「国名シリーズ」は避けて通れない。 舞台のユニークさ、フェアな手がかり、ミステリとしての構造美、そしてあの名物「読者への挑戦状」。これらすべてが揃っていて、黄金時代ミステリの華やかさとスト... -
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その愛は、皮膚の上に書かれた – 江戸川乱歩『芋虫』【傑作小説エッセイ】
江戸川乱歩といえば、少年探偵団シリーズか、『D坂の殺人事件』のような本格ものか。そんなイメージが先に来る人も多いと思う。 でも、乱歩の核心を本当に味わいたいなら、どうしても外せないのが『芋虫』だ。 発表は1929年。今から100年近く前の短編なの... -
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これは、向こう側に触れてしまった人たちの話 -『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)』【傑作小説エッセイ】
怪奇と倒錯の短編ばかりを詰め込んだ、江戸川乱歩の「これぞ変格乱歩のフルコース」とも言える一冊がある。 それが、『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)』。 収録されているのは、探偵の推理が光る明智小五郎ものではない。怪奇、倒錯、異常心...
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